八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第四十三話 朝のランニングその六
「今日作ったのはパエリア」
「美味しく出来たあるよ」
「パエリアか、いいね」
実は僕の好物だ、あの御飯と海の幸と鶏肉にトマト、そして香辛料の組み合わせが最高だ。赤ワインともよく合う。
「あれ作ったんだ」
「よく出来たヨ」
「やっぱり御飯は火を通すと一番ある」
「あっ、そういえば中国では」
僕は水蓮さんの言葉でそのことを思い出した、中国では御飯はだ。
「暖かいものでないとね」
「中国では食べないある」
「特に御飯はだね」
「冷たい御飯はまず食べないある」
水蓮さんは僕にこのことを話してくれた。
「私も実は部室のオープンで御飯を温めているある」
「そうそう、水蓮それ忘れないネ」
「冷えた御飯は出来るだけある」
それこそというのだ。
「食べないあるよ」
「ステイツの中国系の人もヨ」
「そっちのお国でもあるな」
「冷えたライスは食べないヨ」
「それを食べる様な人にはなるなって言われるあるよ」
「つまりそれって」
「冷えた御飯は犯罪者が食べるものある」
そういう風に教えらているというのだ。
「刑務所で食べるものある」
「そうした考えなのネ」
「だから中国では冷えた御飯は食べないあるヨ」
「暖かいものでないト」
「駄目ある」
「だからパエリアもなのネ」
「あれは暖かいからいいある」
中国人の水蓮さんにしてもというのだ。
「炒飯と同じある」
「というかスペインの炒飯ネ」
「それになるあるな」
「だから好きなのネ」
「作って食べて楽しかったある」
「ううん、食べただけに」
ここでだ、僕はお二人に話した。
「その分だけまた」
「トレーニングするヨ」
「自分達でするある」
二人は僕にあっさりと答えてくれた。
「午後はネ」
「アパートに帰ってあるよ」
「アパートね、そういえば」
僕は朝のお話を思い出した、そのお話は。
「井上さんが言ってたね」
「ああ、大掃除ネ」
「それあるな」
「さやかするって言ってたね」
「それも熱心だったあるな、かなり」
「井上さんは真面目で奇麗過ぎだからね」
多分八条荘で一番真面目で奇麗好きだと思う、畑中さん達は置いておいて。
「だからね」
「ああしたこともネ」
「言うことがあるあるな」
「今回はいきなりだったけれド」
「急だったので驚いたあるが」
「まあ大掃除自体はいいことだよ」
僕もこう二人に答えた、何時も間にか二人共僕がいる木陰に入って僕と同じ様にして木の幹に背をもたれかけさせて座っている。
「奇麗になるからね」
「普通のお掃除でもネ」
「確かにいいことあるな」
「けれどネ」
「急に言われるとある」
二人もこのことが不満だった。
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