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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第四十三話 朝のランニングその五

「開いてはいるんだよね」
「ああ、夏もな」
「お盆や正月の時は休みになるけれどな」
「寮は夏休みの時も開いてるぜ」
「他の休みの時もな」
 うちの学園の寮はそうだ、男子寮も女子寮も。男子寮には僕も何度か行ってそしてそこで寮生と遊んだこともある。
「だから残ることも出来るけれどな」
「帰った奴もいるからな、実家に」
「海外組は余計だな」
「他の国から来た奴は」
「どうしてもな」
「帰るからな」
 それぞれの実家にだ。
「残る奴はいても」
「帰る奴は帰るな」
「その分もあって静かだな」
「長い休みになると」
「そうだね、まあこれはこれでいいかな」
 静かな学校もとだ、僕は皆にこうも言った。
「独特も趣きがあって」
「まあな、別にな」
「何か悪いってこともないし」
「先生が急に凶暴になったりとかな」
「夏休みになると」
「凶暴な奴は何時でも凶暴だからな」
 生徒を殴ったり蹴ったり罵ったりする人はというのだ。この学校はそうした先生は普通に即刻懲戒免職にならないから嬉しい。
「それ以前の問題で」
「休みになるとかそれ以前で」
「別にな」
「悪くないな」
 二人で話した、そしてだった。
 その話の後で整理体操を終えてだった、僕達はサーキットトレーニングもしてそれからバスケットそのものの練習もした。
 そうして午前中はたっぷり汗をかいた。
 そしてお昼にお弁当を中庭で食べているとだった、そこにだ。
 ジューンさんと水蓮さんが来てだ、笑ってこう言って来た。見れば二人共ジャージだった。ジューンさんは赤、水蓮さんは青だった。二人共上は白のシャツで下がそれぞれの色のジャージというラフな格好になっている。
「今日はここで食べてるのネ」
「暑くないあるか?」
「うん、ここで食べるのが好きだから」
 僕はお弁当を食べながら二人に答えた、メニューお握りにほうれん草のおひたし、そして海老フライとプチトマトだった。デザートは苺だ。
「別にね」
「いいのネ」
「暑くてもあるな」
「うん、今木陰にもいるし」
 木の幹に背中を当てて腰を下ろして食べている、楽な姿勢だ。
「暑くもないよ」
「ならいいけれどネ」
「食べる時も快適が一番ある」
「まあワタシ達はもう食べたけれド」
「暫く休憩ある」
「もう食べたんだ、早いね」 
 僕は今食べだしたところだ、それで二人にこう返したのだ。
「全部食べたんだよね」
「勿論全部食べたヨ」
「お弁当箱も洗ったある」
「どっちの部活もすぐに終わったからネ」
「午前の練習はそうだったある」
「ええと、マーシャルアーツ部と拳法部」
 僕は二人の所属の部活から話した。
「それか陸上部かな」
「いや、今日は料理部」
「そっちあるよ」
 二人は一緒に入っている部活のそれを出した。
「今日はマーシャルアーツ部も陸上部も休みなのヨ」
「料理部はやっているあるから」
「それでさっきまでネ」
「お料理を作っていたある」
「お料理を作って」
「それも食べてネ」
「お弁当も食べたある」
 二人で笑って僕に話してくれた。 
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