八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第四十二話 決勝戦その十二
「日菜子の言う通りヨ」
「観戦もいい修行ある」
「だからあの娘もね」
池田さんもというのだ。
「いい修行になったって言ってるわ」
「じゃあスランプも」
「どうかしらね、ただね」
「ただ、ですね」
「一つのきっかけになったと思うわ」
スランプを脱出するそれにというのだ。
「間違いなくね」
「それは何よりですね」
「ええ、スランプといっても色々で」
「浅いものもあれば深いものもありますね」
「あの娘は多分浅いものだと思うわ」
「浅いスランプなら」
「観戦はね」
それがとだ、日菜子さんは確かな顔で僕に話した。
「いいスランプ脱出のきっかけになったわ」
「それは何よりですね」
「ええ、じゃあ次はね」
「はい、次はですね」
「飲むわよ」
ミミガーを食べながらの言葉だった。
「そして食べるわよ」
「残念会?」
「それあるか?」
ジューンさんと水蓮さんは日菜子さんの今の言葉に問い返した。
「ひょっとしテ」
「それで飲んで食べるあるか」
「いや、違うわ」
「じゃあ次の大会に向けテ」
「その為あるか」
「英気を養ウ」
「そういうことあるか」
二人もここで納得した、そして。
日菜子さんは今度はだ、こんなことを言った。
「そして明日も」
「明日もですか」
「明日も修行するから」
「その明日の修行の為にもですか」
「英気を養うのよ」
飲んで食べてというのだ。
「こうしてね」
「わかりました、じゃあ明日は」
「六時に起きて」
「柔軟体操の後走られるんですね」
「いつも通りね」
「試合の次の日もなんですね」
「今日の大会は終わったけれど大会はこれで終わりじゃないし」
それにだった。
「空手もよ」
「一生やられるんですね、空手を」
「そのつもりよ、だからよ」
「明日もいつも通りですね」
「朝早く起きて走るわ」
柔軟体操で身体をほぐしてからというのだ、身体を動かすまでにこれは忘れてはいけないことは言うまでもない。
「そうするわ」
「本当にいつも通りなんですね」
「そういうことよ、それにしてもこの沖縄料理は」
それはだった。
「美味しいわね」
「沖縄の調味料と食材を使われています」
ここでだ、畑中さんも言って来た。
「小野さんも仰っています」
「だからですね」
「まさに沖縄の味です」
本場のそれだというのだ。
「今日の沖縄料理は」
「そうですね、それで泡盛も」
「お酒もです」
それもというのだ。
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