八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第四十二話 決勝戦その十一
「嬉しいわ」
「それで泡盛もですね」
「沖縄の泡盛よ」
まさにそれだというのだ。
「それもいいのよ」80
「そうなんですね」
「後ね」
「後?」
「調味料もね」
それもというのだ。
「沖縄のものを使ってくれているから」
「美味しいんですね」
「やっぱり沖縄料理はね」
「沖縄の調味料も使ってですね」
「それでこそなのよ」
「お砂糖とかも」
「そう、お砂糖もね」
まさにその調味料もというのだ。
「沖縄のが一番いいのよ」
「あの黒糖ですね」
「サトウキビから作ったね」
「あのお砂糖いいですよね」
あの黒糖は最近はお店でもよく売っている、お砂糖も白いものとは限らなくなっているのが僕の考えだけれど昔の人は白いものという認識があるらしい。
「独特の甘さで」
「あのお砂糖を使って作る」
「それが本来の沖縄料理ですね」
「そうなの」
まさにというのだ。
「だからいいのよ」
「そうなんですね」
「勿論他の調味料もよ」
お砂糖以外もというのだ。
「沖縄のもので作るのが一番なのよ」
「美味しいんですね」
「私としてはね」
こう僕達に話をしてくれた、そしてだった。
日菜子さんは表彰に出て大会が終わって解散となってから八条荘に帰ってすぐにお風呂に入った。その後の晩御飯の時に。
乾杯をして泡盛を一杯飲んでからだ、僕達にこう言った。
「次よ」
「次の大会で、ですね」
「あの娘に勝つわ」
その北海の荒熊と呼ばれた人にというのだ。
「絶対にね」
「頑張って下さいね」
「ええ、ただね」
ここでだ、日菜子さんは僕に足てびちを勧めながら尋ねてきた。
「一ついいかしら」
「何ですか?」
「池田さんと一緒にいたわね」
「はい、大会の時は」
「あの娘最近ね」
「最近?」
「スランプらしいのよ」
こう僕に話してきた。
「何かね」
「そうなんですか」
「そう、自分で言ってるけれど」
「そうだったんですね」
「けれど大会の後で私に言ってきたわ」
「何てですか?」
「ええ、いい勉強になったってね」
大会を観てというのだ。
「そう言ってたわ」
「それは何よりですね」
「試合をすることもいいけれど」
「試合を観ることもですよね」
「そのことはわかるわよね」
「はい、バスケでもそうですから」
その通りだとだ、僕は自分がしているスポーツのことから答えた。格闘技のことは知らないからここでもそうした。
「試合を観ても」
「そうそう、試合を観てもネ」
「いい修行あるよ」
ジューンさんと水蓮さんもその通りだとだ、僕に答えた。
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