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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第四十話 緊張の続く試合その十二

「そういう人達と比べたら」
「ましね」
「まあ親父もお袋に去られたけれど」
「去られたなのね」
「あまりにも浮気が凄いから」
「それが困ったところね」
「うん、けれどね」
 確かに浮気は褒められたことじゃないけれどだ、僕はこう思う。
「暴力とか借金とか育児放棄よりましだよね」
「ずっとね」
「そうじゃないかな」
「まあね、それはね」
 池田さんも僕のその言葉に考えつつ頷いて言ってくれた。
「暴力とかは最低だから」
「人間としてね」
「育児放棄も借金作ることもね」
「どれもだよね」
「まだ。そういったことと比べたら」
 浮気はだった。
「そちらはまだましかしら」
「ましだよね」
「暴力はあんまりだから」
 人を傷つける、しかも自分より力の弱い人を、親父もとにかくそれは忌み嫌って僕にそれは最低の行いだと言っている。
「絶対にしたらいけないことだから」
「それこそだよね」
「ええ、けれど浮気もね」
「相当駄目な行為だけれどね」
「褒められはしないわ」
 とても、というのだ。
「そうしたことはね、まして奥さんに去られるとか」
「とても駄目だよね」
「そうなの、けれど」
「それでもなんだ」
「暴力とかよりはね」
「ましだよね」
「うん、そう思うわ」
 こう僕に言うのだった、そして。
 その話が一段落したところでだ、池田さんは。
 ここでだ、試合場を見て僕に言った。
「いよいよね」
「うん、試合開始だね」
「さて、次の相手は」
 見るとだ、小柄な人だった。
「大阪の人で」
「どんな闘い方なのかな」
「小柄でしょ、あの人」
「大体身長は一四五位かな」
 遠目で見てだ、正直中学生に見える位の背丈だ。
「それ位だね」
「小柄な人に多いけれどスピードタイプなの」
「そうなんだね」
「小柄っていってもね」
「柔よく剛を制すっていうしね」 
 僕はここで柔道の言葉を出した。
「そう言うしね」
「そうでしょ、それは柔道の言葉だけれど」
「小柄な人でも」
「そうよ、侮れないのよ」
 それも決してというのだ。
「バスケじゃどうかは知らないけれど」
「ううん、バスケはね」
 僕が部活で行っているスポーツはだ、小柄だとだ。
「どうしてもね」
「辛いわよね」
「ジャンプ力が第一だけれど」
「それでもね」
「背も必要だよ」 
 どうしてもとだ、僕は池田さんに答えた。
「バスケの場合は」
「そうでしょ、けれどね」
「空手は違うんだね」
「小柄であることがいいこともあるのよ」
「そこは柔道とかと同じなんだね」
「柔道っていったら」
 ここでだ、池田さんはこの人の名前を出した。 
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