八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三十八話 真田幸村その九
「阪神には魅力を感じるでござる」
「あのチームは本当に特別なんだ」
「華があるでござるな」
「そうだね、その華が凄いんだよ」
「勝っても負けても何か絵になるでござる」
「阪神だけだと思うよ、そんなスポーツチーム」
それこそだとだ、僕は話した。
「勝っても負けても華がある、絵になるチームはね」
「不思議な魅力でござるな」
「そうだね、本当に」
「野球も好きになってきたでござる」
「マレーシアじゃ野球はそんなにだよね」
「マイナーでござるよ」
つまりあまり人気がないというのだ。
「阪神みたいなチームもないでござる」
「そうだよね、まあ大阪球場はね」
この球場の話をだ、僕はまたした。
「狭いけれどいい球場だったらしいよ」
「難波にあったのでござるな」
「うん、自由軒とはまた違う方向だったけれどね」
南海の難波駅のすぐ傍にあった、それこそ歩いてすぐの距離だった。跡地のなんばパークスが丁渡そうした場所だ。
「難波にあったんだ」
「難波の球場でござるか」
マルヤムさんはそのことに感慨を感じたかの様にして言った。
「観たかったでござるな」
「もうなくなって長いけれどね」
「大阪は今も球場はあるでござるな」
「うん、球場はあるよ」
例え難波になくともとだ、僕は答えた。
「大阪ドームね」
「難波から近いでござるか」
「近いって言ったら近いね」
僕は少し考えてからこう答えた。
「自転車で行ける距離だよ」
「そうした距離でござるか」
「そこはバファローズの本拠地なんだ」
「バファローズでござるか」
「パリーグのね、まああそこにはね」
オリックスが嫌いだからだ、僕は自分でもわかる位素っ気なく答えた。
「阪神の試合がある時は行くよ」
「その時以外はでござるな」
「正直行かないね」
「バファローズの試合は観ないでござるか」
「僕は観ないね」
正直にだ、僕は答えた。
「あのチームの試合は」
「やっぱり義和殿は阪神でござるか」
「あのチームが好きだね」
僕は確かな声で答えた。
「関西は大体阪神ファンだよ」
「巨人というチームもあるでござるな」
「ああ、巨人は人気ないよ」
「ないでござるか」
「巨人嫌いな人は多いけれどね」
関西においてはだ、本当にアンチ巨人は多い。
「広島や名古屋もそうだと思うけれど」
「関西もでござるか」
「セリーグは阪神ファンが多いからね」
それもその殆どがだ。
「そのアンチ巨人が多いんだ、それとね」
「それと?」
「阪神ファンは今や全国規模だから」
どうもネットで阪神の人気が日本全土に拡大したらしい、やはりネットはとても素晴らしいものだと実感することだ。
「巨人よりも人気あるかもね」
「これまでは巨人がだったでござるか」
「うん、何だかんだでね」
僕にとっては忌まわしいことに。
「日本一の人気球団だったんだ」
「それが今や、でござるか」
「阪神かもね」
あのチームこそがだ。
「何しろ巨人はイメージダウンの要素も多いから」
「悪い奴でござるか、巨人は」
「選手の強引な獲得とかオーナーとかね」
僕はマルヤムさんに具体的な要素を挙げた、その巨人が嫌われるそれを。
「昔からアンチは多かったんだ」
「それで、でござるか」
「ファンも多いけれどアンチも多いチームなんだよ」
「それに対して阪神は、でござるな」
「うん、巨人みたいなことはしないから」
補強はしてもだ、僕は阪神の補強はあっていいと思っている。何故か巨人の補強は見ているだけで腹が立つけれど。
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