八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三十八話 真田幸村その八
「このカレーもそうだしね」
「名物カレー、確かに庶民的でござる」
「それで美味しいね」
「本当にでござる」
「そうだよね、このカレーを食べて」
「それで、でござるな」
「神戸に帰ろう」
「わかったでござる」
マルヤムさんは微笑んで僕に答えた、そしてこの名物カレーを楽しんでだった。僕達は大阪から神戸に帰った。
神戸に帰ってだ、僕はすぐにこう言った。
「あっという間だったけれど」
「大阪は楽しかったでござる」
「楽しんでくれたんだ」
「とてもいい勉強になったでござる」
僕に笑顔で答えてくれた。
「いい小旅行だったでござる」
「あっ、旅行だったんだ」
「拙者はそう思うでござるよ」
「ううん、神戸から大阪は近いから」
それこそ日帰りで簡単に行き来出来る、だから僕の感覚では。
「遊びに行った位だけれど」
「旅行ではないでござるか」
「小さくてもね」
例え小旅行という呼び名でもだとだ、僕は答えた。
「違うかな、僕的には」
「そうでござるか」
「そんな感じだね」
こうマルヤムさんに答えた。
「遊びに行ったっていう」
「拙者的には小旅行だったでござるが」
「じゃあそうなるね」
僕はマルヤムさんのその言葉も否定しなかった、それならそれだと思って答えた。
「その感じ方はそれぞれだから」
「小旅行でもいいでござるか」
「別に悪いとは思わないよ、間違ってるともね」
「ならいいでござるよ、ただ」
「ただ?」
「大阪城のところも難波も日本人以外の人が多かったでござるな」
ふとだ、マルヤムさんはこんなことも言った。
「神戸と同じで」
「ああ、大阪も観光客の人が多いから」
「だからでござるな」
「あちこちの国から人が来ているんだ」
「そうした街でござるか」
「そこは昔とは違うね、絶対に」
それがどれ位の昔かもだ、僕は話した。
「太閤さんや織田作さんの時代と」
「それぞれの時代とは、でござるな」
「安土桃山時代は少しでも南蛮から人が来ていたと思うけれど」
それでもというのだ。
「織田作さんの頃は殆ど日本人だったよ」
「日本以外の国からの人はいなかったでござるか」
「今みたいにはなかったね」
「そうなのでござるか」
「あの頃はね」
そしてだ、僕はこのことも話した。
「それと僕が産まれる前だけれど難波には野球場もあったから」
「そういえば言っていたでござるな」
「うん、ここで言うと甲子園球場かな」
僕はマルヤムさんに駅から家への帰り道を二人で歩きつつ話した。
「大阪球場ってあったんだよ」
「甲子園みたいだったでござるか」
「神戸グリーンスタジアムはね」
僕はオリックスが嫌いなのでこの球場の名前は出さなかった、何か神戸市民としては大阪に行って裏切られた気持ちになった。
「また違うから」
「甲子園は凄い場所でござるな」
「あの球場はまた特別だけれどね」
いつも満員で応援も熱狂的だ、阪神タイガースという球団の魅力がそうさせるのだろうか。
「阪神は」
「拙者野球はまだ詳しくないでござるが」
それでもだとだ、マルヤムさんは話した。
ページ上へ戻る