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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三十八話 真田幸村その七

「そうなんだ」
「それがもうすぐでござるな」
「来るからね」
「御飯とルーを最初から混ぜているでござるな」
「そうなんだ」
 僕はマルヤムさんにあらためて話した。
「実際に見てみればわかるよ」
「それも楽しみにしているでござる」
 マルヤムさんは僕に確かな声で答えた、そしてだった。
 暫くしてから僕達の前にそのカレーが来た、実際に御飯とルーが最初から完全に混ぜられていて真ん中に卵がある。
 そのカレーを見てだ、マルヤムさんはその目をカレーの真ん中にある卵のそれの様に丸くさせてこう言った。
「これはまた」
「驚いたかな」
「こうしたカレーでござるか」
「うん、そうなんだ」
「これをどうして食べるでござるか」
「こうするんだ」
 こう答えてだ、僕は。
 スプーンを右手に取ってから左手はテーブルにあったソースを取った、そのソースを。
 卵の上にかけた、それからスプーンで卵を潰してカレーと一緒にかき混ぜてだ。そうしてからマルヤムさんに話した。
「こうしてね」
「それから食べるでござるか」
「そうなんだ、美味しいよ」
 僕は微笑んでマルヤムさんにこうも言った。
「じゃあ食べようね」
「わかったでござる」
「いただきます」
 二人でこの言葉を言ってだった、マルヤムさんも。
 卵の上にソースをかけて卵とカレーをかき混ぜた、そうしてだった。
 カレーを一口食べてだ、僕に目を輝かせて言った。
「義和殿の言う通りでござる」
「美味しいよね」
「左様」
 こう僕に答えてくれた。
「これはいいでござる」
「おかわり頼むかな」
「是非でござる」
 僕にまた答えてくれた。
「そうしていいでござるか」
「僕もそのつもりだしね」 
 このお店のカレーは二杯食べる、それが僕の基本だ。
「それじゃあね」
「食べるでござるよ」
 マルヤムさんは実際にそのカレーをどんどん食べはじめた、僕よりも早いペースで。そしてカレーを一杯食べてすぐにだった。
 僕達はもう一杯注文した、それはすぐに来てだった。
 二人でまた食べた、その中で。
 マルヤムさんは二杯目のカレーを食べつつ唸って言った。
「これは絶品過ぎるでござる」
「そこまで美味しいっていうんだね」
「そうでござる」
 こう言いつつ食べるのだった。
「大阪城のところのお好み焼きやたこ焼きも美味しかったでござるが」
「このカレーもだよね」
「美味しいでござる」
「大阪は食べものには五月蝿い街なんだ」
 僕はマルヤムさんにこのことも話した。
「何度か話してるけれどね」
「食い倒れの街でござるな」
「うん、だからね」
「このカレーもでござるか」
「美味しいんだ」
「高いものはないでござるが」
「ああ、大阪はあまりないよ」
 高い食べものはとだ、僕はこのことも話した。
「あることはあっても」
「安い、庶民的な味でござるな」
「それが大阪なんだ」
 こうマルヤムさんに話した。 
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