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ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー

作者:Bloo-D
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SAO
青眼の悪魔
  第24話

 
前書き
ヒースクリフとのデュエルを決意する辺りまで書きます。 

 
フロアボスを撃破した後、キリトは自分のHPを確認した。すると、キリトのHPはレッドゾーンのしかもあと残り1ある辺りまで削られていた。実は攻撃の最中に、キリトは〔グリームアイズ〕の攻撃を数回程受けていたのだ。キリトは両手の剣を手にしたまま、その場に倒れ込んだ。

それからある程度経過した後、キリトは目を覚ました。
そこにはキリト,サチ,アスナ,クラインとその仲間5人及び生き残った<軍>メンバー以外に誰もいなかった。

キリト『なぁサチ、俺どのくらい気を失ってた?』
キリトはサチに聞いた。
サチ『ほんの数分くらい……。』
キリトの問いに、サチは今にも泣きそうな目をしながら答えた。
アスナ『馬鹿、無茶しないで‼︎』
アスナはキリトに怒鳴った。
サチ『はい、キリト。』
その時サチは、<ハイ・ポーション>をオブジェクト化して、キリトに差し出した。
キリト『ありがとう。』
キリトはそれを受け取るとすかさず口にした。

<ハイ・ポーション>が空になった時、クラインがキリトに近寄った。
クライン『生き残った<軍>の奴等は回復させたが…コーバッツ含めて3人が死んだ。』
クラインはキリトに言った。
キリト『ボス攻略で犠牲が出たのは、63層以来だな…。』
キリトはクラインにこう返した。
クライン『こんなんが攻略って呼べるかよ、死んだら元も子もないだろが……。』
クラインは、少々キレ気味な言い方で言った。

それから少し間が空いて…、
クライン『それはさておき、なんだったんだよさっきのは⁉︎』
クラインはキリトがフロアボスを倒した時に使ったスキルについて聞いた。

通常、相手のスキル等を聞く事は基本マナー違反だが、状況が状況だ、マナー違反を承知で知りたくなるのも無理はない。

キリト『言わなきゃ…駄目か……?』
キリトは恐る恐るクラインに聞いた。
クライン『当然だろが‼︎第一、見た事ねえぞ、あんなの‼︎』
クラインの言葉に答えるように、キリトは口を開いた。
キリト『エクストラスキルの一つ、【二刀流】だよ。』
『『『『『おお……。』』』』』
サチ『……。』
クラインとその仲間、そして<軍>の生き残りの間にどよめきが流れた。アスナもだ、因みにサチは沈黙を保っている。
クライン『出現条件は⁉︎』
クラインは急き立てるかの如くキリトに聞いた。
キリト『解っていれば既に公開している。』
キリトにそう言われたクラインは、早速ウインドウを操作して情報屋のリストを調べた。その結果、【二刀流】の出現条件は記載されていなかった。
クライン『情報屋のリストに載っていねぇ。って事は、お前だけの【ユニークスキル】って事じゃねぇか……。ったく水臭ぇな、キリト。そんなの隠してたなんてなぁ……。』

【ユニークスキル】とは、1人くらいしか習得していないスキルの事。
【二刀流】以外に【ユニークスキル】は存在するが、それはまた後の話。

クライン『まてよ、って事は、サチは知っていたのか、キリトが【二刀流】を持っている事を?』
クラインはふと疑問に思った事を聞いた。
サチ『当たり前だよ。だってキリトが【二刀流】をマスターするまでの間、私が修行を手伝っていたから。』
クライン『そうか、それもそっか。』
サチの言葉に、クラインは納得した。キリトの相棒なら、それを知らない筈はない。

それから間が空いた後、クラインは生き残った<軍>のメンバーを返してからキリトに聞いた。
クライン『75層のアクティベートはどうする、お前がやるか?』
キリト『嫌、任せるよ。』
クライン『解った。じゃあな、気いつけて帰れよ。』
それ言ったクラインは、仲間の5人を引き連れて部屋の奥にある扉を開けて、その向こうに姿を消した。

その後残ったキリト達3人は、その場を後にした。

___________________

その翌日の朝、キリトとサチはエギルの店にいた。

何故かと言うと、昨日の一件の事だ。今朝の新聞にはこうあった。
「<軍>の最精鋭部隊を壊滅させた74層フロアボス。それを撃破した〈青の槍壁〉サチの相棒、〈黒の剣士〉キリトの【二刀流】50連撃。」
それを見たプレイヤーが何処で調べたのか、どっとキリトとサチの部屋に押し寄せて来たのだ。あまりの事態に、2人は仕方なく転移結晶で脱出し、エギルの店に逃げ込んだのだ。

現在、キリトはエギルと向かい合うように2階の部屋で胡坐をかきながら畳に腰掛け、サチは炊事場で朝食を作っていた。

この時、エギルの店には何故か、リズベッドの姿があった。
理由はエギルに“店を手伝って欲しい”と言われたからだとか……

エギル『これまた大きく取り上げられたもんだな。ハッハッハッ……。』
エギルは今朝の新聞を見て笑い出した。
キリト『絶対引っ越してやる。誰にも見つからなさそうな田舎の層にな。』
キリトはブツブツ言った。
リズベッド『そりゃあんたの自業自得ってとこじゃない?』
リズベッドがアイテム等が入った木箱を抱えながら部屋に入って来た。
リズベッド『秘密にして欲しいって言ってたくせにバラしたんだからね。≪ニヤッ≫』
リズベッドは黒い笑みを浮かべながら言った。

実はリズベッドは、キリトが【二刀流】を保持している事は以前から知っていた。キリトとサチが装備のメンテナンスの為にリズベッド武具店に来た際に聞いたのだ。
その際はキリトから秘密にするように言われたが、当のキリトは、状況でそれを使ってしまったのだ。
リズベッドの言う通り、キリトの自業自得である。

因みにアスナは、朝から<血盟騎士団>本部に出頭しに行った。理由は、キリトとサチとパーティーを組む為にギルドを暫し休む事とクラディールの事を報告する為だ。

ーーーー

そうこうしている内に、サチが朝食を作ってキリト達3人の元に持って来た。朝食は熱々のご飯に具沢山の味噌汁と秋刀魚(サンマ)のような魚を使った焼魚。早速キリト達が口にすると…、
リズベッド『うまい‼︎』
エギル『絶品だ‼︎』
キリト『最高の味だな‼︎』
サチの料理に高い評価をつけた。
サチ『ありがとう。』
サチは高評価を得られて微笑んだ。
リズベッドはともかく、エギルはサチの手料理を食べれて特に嬉しそうだ。

ーーーー

その後キリト達が朝食を食べ終え、サチが食器を片付け終わった直後…、
≪ドタドタドタ……ガラッ‼︎≫
アスナ『ハア、ハア、ハアッ……。』
扉が勢い良く開き、アスナが顔を出した。しかもアスナ昨日の朝の時と同じくらいに息を切らしていた。
アスナ『どうしよう、大変な事になっちゃった‼︎』
アスナは大声で叫んだ。

その後キリトは、アスナから話を聞いた。何でも、団長のヒースクリフがキリトとサチに立ち会って貰いたいとの事。
それを聞いたキリトはサチとアスナと一緒に<血盟騎士団>本部に向かった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数分後、55層^グランザム^主街区の<血盟騎士団>本部。
その会議室で、キリト達3人は、団長のヒースクリフと対峙した。

ヒースクリフも、キリトと同様に【ユニークスキル】の持ち主だ。

ヒースクリフ『キリト君にサチ君、フロアボス攻略戦以外で話をするのは初めてだったかな?』
ヒースクリフはキリトとサチに聞いた。声から察するに、2~30代辺りだろう。
サチ『いえ、確か67層対策会議の際に少し話した筈です。』
ヒースクリフの問いに、サチは答えた。
ヒースクリフ『そうか、これは失礼した。
あの時は危なかったな。こちらも犠牲者が出る所だった。
しかし、君達は我がギルドの中で重要なプレイヤーを引き抜こうとしている。』
ヒースクリフの言葉に、アスナは前に出ようとしたが、キリトがそれを押し留めた。
キリト『重要なら、護衛の人選くらい気を使ったらどうです?』
キリトはヒースクリフに言った。
ヒースクリフ『クラディールの件は、流石に謝罪しよう。だが、アスナ君となったら話は別だ。』
その後、ヒースクリフはこう続けた。
ヒースクリフ『キリト君、欲しければ、君の【二刀流】で奪って見たまえ。デュエルで私を負かしたら、君達の好きにしたまえ。だが、私が勝ったその時は、君ら2人が<血盟騎士団>に入りたまえ、キリト君にサチ君。』
キリト『……。』
ヒースクリフの言葉に、キリトは悩んだ。
相手はSAO最強と言っても過言ではない聖騎士ヒースクリフ。並のプレイヤーでは絶対に敵わない。だが、今のキリトには【二刀流】がある。今のキリトなら、ヒースクリフといい勝負が出来るだろう。
会議室に暫く静寂が流れたが、キリトは決意の言葉を述べた。
キリト『解りました。その勝負、受けて立ちましょう。』
『『⁉︎』』
キリトの言葉に、サチとアスナは驚きを隠せなくなった。

ーーーーーーーーーー

こうして、キリトとヒースクリフはデュエルする事となった。 
 

 
後書き
今回はここまで。次回作は、早ければ週の半ば辺りに公開の予定で行きます。 
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