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ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー

作者:Bloo-D
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SAO
青眼の悪魔
  第23話

 
前書き
前回の続きから書きます。 

 
<軍>のメンバーが安全エリアに入ると…、
『よし、ここで一旦休憩だ。』
彼等のリーダーらしき先頭の男の号令で、残り11人はその場に座り込んだ。その直後、そのリーダーらしき男が、キリト達の方に近付いた。そして、キリト達から1,2m程離れた辺りで立ち止まった。

『私は<アインクラッド解放軍>のコーバッツ、階級は中佐だ。宜しく。』
相手は軽くだが、お辞儀して来た。声から察するに30代くらいだ。
キリト『俺はキリトだ、宜しく。』
キリトも軽くだが、お辞儀して返した。
キリト『あんたら、ボス攻略に来たのか?』
コーバッツ『そうだ、出来ればな。』
キリトの問いに、コーバッツは首を縦に振って答えた。
キリト『ボス部屋辺りまでならマッピングしてあるが……』
コーバッツ『何っ⁉︎』
『『『『『⁉︎』』』』』
キリトの言葉に、コーバッツとその仲間全員が驚きを隠せなくなった。
コーバッツ『本当…なのか?』
コーバッツは、念を推してキリトに聞いた。
キリト『ああっ、本当だ。』
キリトは首を縦に振って答えた。
コーバッツ『そのマップデータ、売ってくれるか?』
キリト『別にいいが…一緒にボスを攻略するってのはどうだ?』
『『『『『⁉︎』』』』』
キリトの言葉に、全員が驚きのあまりに硬直した。
サチ『ちょっと待ってよキリト、本気なの⁉︎』
今まで沈黙を守っていたサチが声を上げた。
キリト『丁度、盾装備のプレイヤーが欲しいと思っていた所なんだ。無論、おいしい所はお前等にくれてやる。どうだ、別に悪い話でもないだろう?』
コーバッツ『確かに、決して悪い話ではない。だが……』
コーバッツは少し考えたが…、
コーバッツ『ご厚意はありがたい。だが、我々だけで攻略せよとの命令だ。そう言う訳には行かない。』
キリト『そうか、なら代わりに、マップデータを売ろう。』
っとの事で、キリトはマップデータをコーバッツに売った。
売った値段は5000コルくらい(少し安い気がするのは、気のせいだろうか?)。その後コーバッツは、仲間を引き連れてその場を後にした。

クライン『あいつら、本気でボス攻略やる気か?』
コーバッツ達が見えなくなった後、クラインが口を開いた。
サチ『さあ?』
サチは、クラインの言葉に首をかしげた。
アスナ『あの様子だと、絶対やるわね。』
キリト『念の為、後を尾けてみるか……。』
『『『≪コクコクッ≫』』』
キリトの言葉に、3人は首を縦に振った。

ーーーーーーーーーー

その後、たまたま運が悪かったのか、モンスターの群れと度々出くわしたが、サチのおかげで切り抜けられた。その後一行は、迷宮区最深部までやって来た。
サチ『なかなか追いつかないね。』
クライン『ひょっとしたら、アイテムだけ手に入れて帰ったんじゃないのか?』
アスナ『それはまずないでしょう。』
キリト『とりあえず、ボス部屋を覗いて行くか。』
サチ『うん。』
アスナ『ええ。』
クライン『そうだな。』
こうして一行は、ボス部屋に到達した。

すると…、
『うわぁああ〜〜〜‼︎』
『『『『⁉︎』』』』
部屋から男性の悲鳴が聞こえた。
キリト達が部屋を覗き込むと、そこにはフロアボス〔ザ・グリームアイズ〕と対峙する、あのコーバッツらがいた。しかも、数を数えると2人欠けていた。“おそらく、ボスにやられたのだ”とキリトは推測した。
すると突然、アスナが<軍>の助太刀に入った。
キリト『アスナ‼︎』
キリトも慌てて部屋に走り込んだ。
キリト『ここは俺達がなんとかする、おまえ達は<転移クリスタル>で離脱しろ‼︎』
キリトは<軍>のメンバーに叫んだ。
『無理だ、ここは[結晶無効化空間]だ‼︎』
キリト『何だと⁉︎』
<軍>のメンバーの言葉にキリトは驚いた。何故なら、[結晶無効化空間]のボス部屋は今まで無かったからだ。
すると…、
コーバッツ『ぐわ〜〜‼︎』
コーバッツの悲鳴が聞こえた。
キリト達が振り向くと、コーバッツはフロアボスの攻撃で宙高く吹っ飛ばされ、キリト達の目の前に落下した。
キリト『大丈夫か⁉︎』
キリトは、コーバッツの元に走り寄った。
コーバッツ『す…すま…な…い……』
コーバッツはキリト達に謝罪の言葉を言うと、ポリゴン状となって消滅した。

クライン『ばっか野郎が‼︎』
クラインは思わず叫んだ。
アスナ『貴方達は下がりなさい‼︎』
アスナは<軍>に向かって叫んだ。
キリト『ここは俺達がなんとかする、行くぞサチ‼︎』
サチ『解った‼︎』
キリトの言葉に呼応して、サチは"シャイニング・エコー"と"危険回避の指示"を発動してパーティーの能力を強化した。
クライン『くっ、お前等はそいつらを回復させとけ‼︎』
クラインは仲間の<風林火山>メンバーに、残った<軍>のメンバーのHPを回復させるよう言った。

ーーーーーーーーーー

その後キリト達4人は、〔グリームアイズ〕に攻撃を集中させたが、なかなかHPを削れない。
それに苛立ったサチが"防御無視"を発動して攻撃を加えるが、それでも2~3割くらいしか減らない。するとグリームアイズが、巨剣をキリト目掛けて振り下ろした。
サチ『キリト‼︎』
キリト『ぐっ、ぐおおお……‼︎』
キリトは剣で躱したが、その余波でキリトのHPが1~2割削られた。

不意にキリトは、アスナ達に目をやった。アスナとクラインは、共にHPがイエローゾーンに到達し、サチはグリームアイズの攻撃を槍で躱しつつ"ディメンション・スタンピード"を発動して攻撃を仕掛けているが、〔グリームアイズ〕のHPは1割程しか削れない。おまけにサチのHPはイエローゾーンに入るか否か辺りまで削られていた。
一方クラインの仲間は、安全を確保しようと必死だった。

キリトは悩んだ、切り札は有るには有るが、サチ以外のプレイヤーの前で使いたくない。だが、このままでは全滅は免れない。答えはただ一つ、己の切り札を持って、目前のボスを倒すしかない。
キリト『サチ,アスナ,クライン‼︎10秒程耐えてくれ‼︎』
決心したキリトは、3人に言った。
サチ『キリト、まさか⁉︎』
キリト『やむを得ない、頼む‼︎』
アスナ『解った‼︎』
クライン『任せろ‼︎』
サチ『了解‼︎』
そう言ったキリトは、後方に下がった。そしてサチら3人は、時間を稼ぐべく応戦にかかった。
一方のキリトは、急いでウインドウを操作して、設定を変更した。

キリト『よしいいぞ‼︎』
各操作を完了したキリトは叫んだ。
サチ『はあぁああ〜……‼︎』
≪ガキンッ‼︎≫
キリトの言葉に呼応するかのように、サチは〔グリームアイズ〕目掛けて"ウェポンバッシュ"を放ち、〔グリームアイズ〕を硬直させた。
キリト『スイッチ‼︎』
タイミングを見計らったキリトは叫び、サチと交代、その直後に硬直から回復した〔グリームアイズ〕は巨剣を振り下ろした。キリトはその攻撃を<エリュシデータ>で躱すと、新たにオブジェクト化した剣<ダークリパルサー>を抜いて〔グリームアイズ〕に一撃を喰らわす。攻撃は見事に命中、〔グリームアイズ〕のHPがイエローゾーンに到達した。
〔グリームアイズ〕は負けじと攻撃をくわえるが、キリトは2本の剣で弾き返す。
そしてキリトは、エクストラスキル【二刀流】の奥義技"スターバースト・ストリーム"を発動して反撃を開始した。
キリト『うおおお〜〜〜……‼︎』
キリトは大声を出しながら剣を振るい、〔グリームアイズ〕を攻撃する。

そして、最後の一撃が〔グリームアイズ〕に炸裂。これにより、〔グリームアイズ〕はポリゴン状となって消滅した。 
 

 
後書き
原作のままのコーバッツはどうかと思って、少し融通が利くような感じにしてみました。
次回作は、来週辺りに公開の予定で行きます。 
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