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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三十七話 大阪に行ってその一

                       第三十七話  大阪に行って
 僕はマルヤムさんを大阪に案内することになった、けれど。
 二人で八条荘を出る時にだ、留美さんと円香さんに呼び止められた。
「あの、一体」
「何処に行かれるんですの?」
「大阪でござる」
 マルヤムさんが二人に答えた。
「あの街にでござる」
「大阪といいますと」
 円香さんは大阪と聞いてこう言った。
「住吉神社ですわね」
「神社でござるか」
「はい、大阪といいますと」 
 神社の娘さんで巫女さんでもある円香さんらしい言葉だった。
「あの神社ですわね」
「神社には行かないでござる」
「そうですの」
「大阪城に行くでござる」
 マルヤムさんは正直に話した。
「真田幸村殿の史跡を観に行くでござる」
「真田幸村か」
 この名前を聞いてだ、留美さんは目を輝かせて言った。
「それはいいな」
「いいでござるな」
「うむ、幸村公はまさに天下の名将だった」
「真の武士でござったな」
「仁愛と忠義に富んでいた」
 留美さんもこう言う、真田幸村について。
「素晴らしい方だった」
「拙者尊敬しているでござる」
 マルヤムさんは留美さんにもこのことを話した。
「もむのふでござる」
「智勇兼備のな、そしてか」
「今から義和殿に案内してもらってでござる」
「真田幸村縁の地に行くのだな」
「そして学んで来るでござる」
「わかった、では行って来るのだ」
 かなり生真面目な調子だった、今の留美さんは。
「是非共な」
「そうしてくるでござるよ」
 マルヤムさんも応えてだ、僕と一緒に。
 八条町から大阪に向かった、まずは大阪駅まで行って。
 そして大阪城公園まで来た、そして駅から出てだった。
 まだ少し遠くに見える大阪城の天守閣を見てだ、マルヤムさんは唸って言った。
「あれが、でござるな」
「そう、大阪城の天守閣だよ」
「見事でござるな」
「いいお城だよね」
「全くでござる」
 マルヤムさんはその天守閣を見続けていた、そして。
 その時にだ、僕にこう問うた。
「傍まで行っていいでござるな」
「中にもね」
「入っていいでござるか」
「その為に来たからね」
 だからだとだ、僕は答えた。
「一緒に行こう」
「わかったでござる。ただ」
「ただ?」
「大阪城ばかり考えていたでござるが」
 マルヤムさんはここで僕達の周りを見た、その周りは。
 公園で緑が多くてだ。しかも。
 人も多い、その公園と人それに出店も見てだった。
 マルヤムさんは僕にだ、こう言った。
「ここもいいでござるな」
「大阪城公園っていうんだ」
「まさに大阪城でござるな」
「そうだよ、そしてここでね」
「昔は、でござるな」
「ここに侍の人達がいたんだ」 
 太閤さんの時代はだ。 
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