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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三十六話 終業式その十一

「それじゃあ」
「お風呂の後はです」
「水分をですね」
「特にサウナの後は」
「汗をかくから」
「欠かせません」
「よくサウナのすぐ後でお酒を飲みますけれど」
「いえ、あれもです」 
 畑中さんはそのことについても話してくれた。
「よくないです」
「脱水症状にですか」
「アルコール類は。それに」 
 さらにとだ、畑中さんは僕に話をしてくれた、二人共それぞれ身体を洗う中でだ。畑中さんの洗い方はかなり丁寧だった。
「お酒を普段以上に吸収してしまいます」
「汗をかいた分だけですね」
「そうです、ですから」
「まずは普通の水分を補給して」
「そしてです」
 そうしてというのだ。
「飲まれるのがいいのです」
「お酒を飲む前に」
「はい、そうです」
「わかりました、次からそうします」
「その様に」
「夏は特にですね」
「汗をかきますから」
 運動するとそれこそサウナにいる時と同じだけの汗をかく、本当にちょっと下手をすると脱水症状になる位に。
「お気をつけ下さい」
「わかりました」
 僕は畑中さんのその言葉に頷いた、そしてだった。
 髪の毛も洗って泡を落として湯舟に入った、畑中さんもだった。
 二人で湯舟に入ってだった、それから。
 お風呂からあがるとだ、マルヤムさんがだった。
 丁渡汗をかいて帰って来ていた、着ているのは運動しやすいシャツに膝までの半ズボンだった。その姿で戻って来て僕に言って来た。
「義和殿はお風呂でござったか」
「そうだよ、それでマルヤムさんは」
「修行をしていたでござる」
 こう僕に答えてくれた。
「素振りの後ランニング、そしてサーキットトレーニングをしていたでござる」
「剣道に忍術だね」
「両方でござる」
「そうだったんだ」
「後はお風呂に入ってでござる」
 そしてというのだ。
「部屋で手裏剣の練習でござる」
「手裏剣もするんだ」
「お風呂の後で。やはり手裏剣は」
 忍者の代名詞であるこれはというと。
「欠かせないでござる」
「忍術をするうえではだね」
「隠れること、そして手裏剣はでござる」
 その二つはというのだ。
「絶対でござる」
「そうだよね、ただ」
「ただ?何でござるか」
「うん、マルヤムさん最近ね」
 思い出すとだった、そのことは。
「ござる口調じゃなかったね」
「実はでござる」
「実は?」
 今度は僕がその言葉を疑問形で応えた。
「どうして普通の喋り方だったのかな」
「他の皆が普通の喋り方だったからでござる」
「皆に合わせていたんだ」
「そうしていたでござる、けれど」
 それがというのだ。
「やっぱり自分は自分と思ってでござる」
「元の喋り方に戻したんだ」
「そうしたでござる」
「そうだったんだね」
「そうでござる、いいでござるか」
「別にね」
 僕は少し考えてからマルヤムさんに答えた。 
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