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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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悪魔の心臓・・・来襲!!

その頃、シャルルとリリーは・・・第三者side

「どういうことよ、メストがギルドの一員じゃないって」

シャルルとリリーはウェンディたちを探して走っていた。その際、シャルルは先程リリーが言っていたことについて聞いてみた。

「最初はただの勘だった。だが不思議なことに、疑えば疑うほど、メストという男に関しての知識が、はっきりしてくる」
「え?何よそれ。まったく意味わかんないわよ」

シャルルはリリーの言葉の意味がわからずにいる。

「不自然なんだよ・・・ギルドに入って間もない俺の、奴に関する知識。名前はメスト・グライダー。ミストガン・・・王子の弟子。昨年もS級昇格試験に選ばれるが、惜しくも失格。それだけだ。それ以外の知識は、ぼやけてあやふやだ」
「だからあんな変態に付き合っちゃダメっていったのに~!!」
「とにかく急ぐぞ。ウェンディが危ないかもしれん」

リリーとシャルルは、ウェンディの元へと急いだ。





























そのウェンディとメストは・・・

「こんなお花、見たことないですよ」

ウェンディは初めて見る花に嬉しくなり、その花を摘んでいる。

「メストさん、ほら・・・!?」

ウェンディはその花を見せようとメストの方を振り返る。しかし、

「きゃああああ!!」

振り返ってウェンディは思わず悲鳴をあげた・・・その理由は・・・

「知りたい!見たことのない花の味というものを、俺は知りたい!」

メストが夢中になって花を食べていたからだった。

「花を食べないでください!!」

ウェンディは涙目になりながら、メストの行動に腰を抜かしていた。



























一方、悪魔の心臓(グリモアハート)の襲撃を受けているシリルはというと・・・シリルside

「水竜の・・・鉄拳!!」
「叫び!!」

ガオオオオオッ!!

俺が鉄拳でライオンを殴ろうとしたら、ライオンが突然叫び、俺はその叫びに吹き飛ばされる。

「うわああああ!!」
「羽撃ち!!」

俺が飛ばされた方向に、カラスが羽を振ると、そこ羽から鋭い“風の刃”が俺に飛んでくる。

「くおっ!」

俺はそれを横に飛んで交わす。その風の刃は、俺がいた場所を切り裂いた。

「あんなの受けたら体切られるぞ!!」

懐に入ったらダメだな。

「水竜の・・・咆哮!!」
「咆哮!!」

ライオンがそう言うと、俺のブレスを何かが打ち消す。なんだ!?今の・・・

「なんだよ今の!?」
「俺の魔法は“振動”!!空気を揺らし、相手に攻撃を加えたり、相手の攻撃を打ち消すことができる」
「私の魔法は“風”。羽を使って様々な風を操ります」

振動と風・・・どっちも目に見えにくいものだなぁ。

「ルイズ、こいつの魔法・・・まさか」
「おそらく、カミューニ様が言っていたのはこいつのことのようですね」

ライオンとカラスは何やらコソコソと話している。余裕か!!

「ふざけるなよ!!水竜の砕牙!!」

コソコソと話している今の状態なら、一気に距離を詰めて勝負を決めてやる!!

「叫び!!」
「うおおお!!」

ライオンが俺が近づけないように空気を振動させるが、もう遅い!!

「何!?」
「どりゃあ!!」
「突風!!」

俺がライオンに砕牙がする直前、カラスが羽を使って俺の速度を減少させる。

「やべ!?」

速度を失った俺は、ライオンに攻撃が届く前に浮力を失い、ライオンとカラスの前で止まってしまう。

「バカめ!!喰らえ!!」
「ぐあっ!!」

ライオンは刀で俺の腕を切りつける。くそっ!!

「水竜の鉄拳!!」
「遠吠え!!」
「うるせぇ!!」

ライオンのあまりの声の大きさに、俺は耳を押さえてしまう。

「隙あり!!」
「がっ!!」

カラスが俺の顔に蹴りを入れる。今の攻撃・・・変なところに入った・・・なんか、フラフラする・・・
俺はカラスとライオンの猛攻に思わず膝をついてしまった。























一方、助けを呼びにいったセシリーは・・・セシリーside

早く・・・早くエルザさんたちに知らせないと~!!
上空から簡易ベースを探しているけど、木が生い茂っていてよくわからない!!どうしよう!!このままじゃシリルが・・・

「業魔!!鉄神剣!!」
「うああああああ!!」

僕が空を飛んでると、どこからかガジルくんの声と誰かの悲鳴が聞こえてきた。何今の!?

「あっちからだ~!!」

簡易ベースの場所がよくわからないし、ここはガジルくんに助けてもらおう!!
僕はそう思い、声のしたほうへと急いで向かった。






















シリルside

「ふははははは!!この程度の奴ばかりなら、本隊が上陸する前に片がつくな!!」
「アズマも別に、潜入しておく必要もなかったようですね」

本隊・・・?それに、潜入しておくってことは・・・まさか、かなり前からこの島にいた奴がいるのか?

「く・・・そ・・・」
「ほう。まだ立ち上がるのか」

俺は左腕を押さえながら立ち上がる。あとでウェンディに治癒をしてもらわないと・・・その前に、こいつらをなんとかする!!

シュパァァァァン

すると、俺の後ろの方から赤い信号弾が上がる。あれは敵の襲撃を知らせる合図。セシリー、ちゃんと教えてくれたのかな?

「なんだあの信号弾は?」
「うちの合図ではありませんね」

ライオンとカラスはその信号弾に目を白黒させている。

「あれはうちの信号弾だよ。これで全員がお前たちの存在を知ったはずだ」
「ほう・・・」
「ですが少年、もう遅いですよ。まもなく・・・





















煉獄の七眷属が参りますので」
「煉獄の七眷属?」

なんだよそれ・・・聞いたことがない・・・

「そうだ。我々が足下にも及ばないほどの魔導士たちだ!!
時の魔導士ウルティア。ラスティローズ。俺たちのボス、カプリコ様。華院=ヒカル。ザンクロウ。メルディ。そしてアズマ」
「アズマはすでにこの島に潜入しています」

こいつらが足下にも及ばないだと!?どんだけ強いんだよ、想像できねぇ・・・

「アズマは確か、評議院から潜入している奴を始末するらしいな」
「ああ、カミューニ様が言ってた奴か」
「評議院から潜入?」

誰だよそれ・・・そんな奴がうちのギルドにいるはずねぇだろ・・・

「おやおや・・・これだから正規ギルドは」
「ぬるい!!実にぬるい!!」
「なんだと!!」

俺はライオンとカラスの言い分に腹が立ち、二人に殴りかかる。だが、ライオンに軽々と受け止められる。

「ぐぅ・・・」
「評議院から潜入しているのは・・・確か、メストと言いましたね」
「そいつももう死んでるかもな!!」

メストさん!?あの人が評議院から潜入している人なのか!?
なるほど・・・道理でみんなメストさんのことを詳しく知らないわけだ。
メストさんは記憶を操作する魔法でも使えるってことなんだろう。
ていうか、なんで評議院からうちのギルドに潜入しているんだ?意味がわから・・・

「あれ?」

俺はそこまで考えてあることを思い出す。メストさんのパートナーって、ウェンディだったよな?つまり・・・ウェンディが危ない!!

「んじゃあ、お前は死にな!!」

ライオンが俺を刀で貫こうとする。だが

ガキィン

「「!!」」

俺はその刀を弾き飛ばす。

「バカな!!」
「あなたのどこにそんな力が残って・・・」

ライオンとカラスもそれを見て驚いている。だが、今はそんなのはどうでもいいんだよ。

「おい。そのアズマとか言う奴はどこにいるんだ?」
「聞いてどうするのです?」
「お前はこれから死ぬんだぞ!!」

確かに、さっきまでの俺なら間違いなくやられるだろうな。だけどなぁ・・・

「俺には負けられない理由があるんだ」
「それは我々とて同じことです」
「いや・・・」

お前らなんかの理由と、俺の背負っているものは確実に違うね。

「水竜の鉤爪!!」
「絶叫!!」

ライオンが俺に大声で攻撃してくるが、俺はそれを掻い潜りライオンに蹴りを入れる。

「ぐおっ!!」
「羽撃ち!!」

続いてカラスが突っ込んでくるが、俺はそれを避けてカラスの顔に頭突きを入れる。

「くっ!!」

カラスはバランスを崩し後ろに倒れようとするが、俺はそいつの頭を素早く掴み、

「水竜の咆哮!!」
「うわあああああ!!」

カラスは俺の攻撃を受け、近くにある木々をなぎ倒して飛ばされる。

「な・・・なぜだ!!」
「先程までとは動きが・・・全然違いますよ!?」

二人は傷口を押さえながら俺の方を向き、立ち上がる。

「動きが全然違うだ?当たり前だろ?」

俺は・・・俺は・・・

「ウェンディを守るためなら、俺は自分の限界くらい越えてやる!!」

俺は腕に水を纏い、カラスとライオンに突進した。



























その頃、エルザたちを呼びにいったセシリーは・・・第三者side

「セシリー!!本当にこっちであっているのか!?」
「うん!!エルザさんたちを呼びにいくときに目印をつけておいたから!!」

セシリーは先程、ガジルの声を聞いて飛んでいったのだが、そこいくと、いたのは傷だらけのガジルとそれを泣きながら抱えるレビィ、エルザとジュビアもその場所にいた。
そして、エルザがガジルに倒された犬と鶏から尋問し、悪魔の心臓(グリモアハート)の目的、そして、煉獄の七眷属のことを聞かされた。
そこでセシリーは、シリルが悪魔の心臓(グリモアハート)のメンバーと戦っていることをエルザとジュビアに話し、三人はは犬と鶏を木に縛り付けたあと、急いでシリルの元へと向かった。


「シリルくん、大丈夫でしょうか」
「わからん」

ジュビアは心配そうにそういい、エルザは表情を崩さずに答える。

(シリルもそれなりに強いとは思うが・・・ガジルがあれほどまでに苦戦する相手だ。もしかしたら、シリルがやられているかもしれん。
こんなことなら、シリルをS級魔導士昇格試験なんぞに呼ぶんではなかった!!)

エルザは心の中でそう思い、悔しそうな顔をする。

「もうすぐだよ~!!シリルのいる場所は~!!」
(無事でいろよ、シリル)

セシリーの言葉に、エルザは祈るように拳を握りしめ、シリルのいる場所へと急いだ。

























そこには、信じられない光景が広がっていた。シリルの全身が血で赤く染まり、膝に手をついて肩で息をしていた。

「なっ!!」
「シリルくん・・・」

エルザとジュビアは、その姿に思わず冷や汗をかく。だが、何かがおかしい。シリルは確かに体中血まみれなのだが、意識を失って倒れるような感じにも見えない。
するとシリルは、空を仰ぎ、大きく息をつく。
そして、自分の前に倒れているライオンの鬣をつかむ。

「おい!!おめぇ起きろ!!」
「ぐ・・・」

よく見ると、ライオンは傷だらけになっており、その近くで伸びているカラスも、同様に傷だらけで白目を向いていた。

「起きろって!!」
「ぐほぉ!!」

意識を失っていたライオンの顔面に、シリルがグーパンチをお見舞いする。
ライオンはそれで意識を取り戻したのか、目を開く。

「おめぇらの潜入しているアズマって奴ぁどこだよ!!」
「あ・・・あっちに・・・いる・・・は・・・ぐふん」

ライオンはエルザたちが見ている方向とは逆の方を力なく指さしたかと思ったら、あまりのダメージに意識を失い、腕をダランとさせた。
シリルはそんなライオンを地面に叩きつける。

「あっちか」
「シリル!!」
「シリルくん!!」
「シリル~!!」

エルザたちはシリルのあまりの威圧感と血まみれの姿に唖然としていたが、ようやく正気に戻り、シリルの元に駆け寄る。
シリルもその声に気づき、エルザたちの方を向く。

「エルザさん!!ジュビアさんも!!」
「無事だったんだな!!」
「エルザさん!!全然無事じゃないですよ!!この血・・・」

ジュビアはそういってシリルの顔を撫でると、その血は簡単に落ち、そこから見えるシリルの顔は、ほとんど傷などついていなかった。

「あれ?」
「どうしたんですか?」

ジュビアはシリルの顔を不思議そうに見たあと、近くに倒れているライオンとカラスを見て、この血の正体に気付く。
そう、この血は、大半がシリルが倒したライオンとカラスの血、あまりのシリルの攻撃に、二人の血が飛び散ってしまい、シリルに降りかかったためであった。

「よかった~」
「??」

ジュビアは安心したようにシリルを抱き締める。シリルは、いまいち自分の状況がわかっておらず、?マークを頭に浮かべている。

「あ!!」
「「「?」」」

すると、シリルが突然何かを思いだし、ジュビアの体を引き離す。

「エルザさん!!ジュビアさん!!この2匹の始末をお願いします!!セシリー!!」

シリルはライオンとカラスを指さしたあと、セシリーを呼び、セシリーはシリルの近くに飛んでくる。

「何?」
「急いで向こうに飛んでくれ!!全力で!!」
「う・・・うん!!」

シリルはさきほど、ライオンが指さした方向を指さし、セシリーはうなずいてからシリルの体を持ち上げて飛んでいく。

「おいシリル!!」
「シリルくん!?どこにいくんですか!?」

突然のシリルの行動にエルザとジュビアは驚く。だが、シリルの耳には全くその声は届いていなかった。

「早くウェンディのところに行かないと、大変なことになるぞ!!」

シリルはシャルルの言っていた、“泣きながら叫ぶウェンディ”のことを思いだし、ウェンディの元へと急いだ。






















そのウェンディとメストは・・・

「メストさん。あの信号弾、何の合図でしたっけ?」

ウェンディは先程から上がっている赤い信号弾の意味が思い出せず、メストに質問する。

「えーっと・・・あれ?」

メストは信号弾を見上げると、頭をかきながらその意味を考える。が、メストはその信号弾の意味を知らないので思い出せるわけがない。

「知りたい!!とてつもなく知りたい!!」
「えー!?メストさんも忘れちゃったんですか!?」

メストは近くにあった岩にかぶりつき、ウェンディはメストも信号弾の意味を知らないことに焦る。

「それにしても、メストさんなんでもかんでも口に入れるのやめた方がいいですよ?」

ウェンディはそう言うが、メストにはその声は届いていなかった。

(まずいな。本隊(・・)が来る前に動くか・・・)

メストは岩に噛みついたまま、そんなことを考えている。その顔は、真剣そのものだった。

「ウェンディ!!」
「!」

すると、上空からウェンディを呼ぶ声がして、二人はそちらを向く。そこには、白い猫と黒い猫が、二人の元に飛んできていた。

「シャルル!!リリー!!」
「すぐにそいつから離れなさい!!」

シャルルとリリーはウェンディとメスト間に割って入り、ウェンディを守るようにメストを睨む。

「メスト!!あんた一体、何者なの!?」
「え!?何者って・・・俺は、ミストガンの弟子で・・・」

ドゴォン

メストが言い終わるよりも先に、巨大化したリリーの拳がメストの後方の岩へと突き刺さる。

王子(ミストガン)がこの世界で弟子を取るはずがない。この世界からいなくなった人間を使ったまではよかったが・・・設定を誤ったな、メストとやら。
お前は、何者だ!!」

リリーに問い詰められたメストの額からは、大粒の滴がこぼれ落ちた。










 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
シャルルが予知で見た血まみれのシリルは、なんと返り血です。
次回はアズマ登場です。
次回もよろしくお願いします。  
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