FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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進撃のマカロフ
「ちょっと!!なんなの二人とも急に!!」
「あんたは黙ってなさい!!」
ウェンディは突然やってきたシャルルとリリーが、メストに敵意むき出しでいることに動揺している。
「お前は何者だ!!」
「な・・・何のことだ?」
リリーはメストに問いかけるが、メストはあくまで何のことかわからないといった顔をする。
「おそらくお前は、人の記憶を操作する魔法の使い手だ。ギルドのメンバーに魔法をかけ、自分がギルドの一員であることを装った」
メストはリリーにズバリ当てられてしまい、歯がゆい顔をする。
「王子のことを含め、考えれば不自然な点ばかりだ。お前の接点を持つ者の名も上がらない。その上、ギルドの信号弾の意味も知らないようでは、言い逃れはできんぞ」
メストはそう言われ、一度顔を下げたと思ったら、突然その場からいなくなる。
「なっ!?」
「消えた!?」
「いや・・・」
リリーはすぐさまウェンディとシャルルの方を向く。
(瞬間移動の魔法!?)
リリーはメストの魔法をすぐに見抜いたが、メストはそれよりも早くウェンディの前に姿を現していた。
「しまった!!」
(メストさん?)
ウェンディは何が起きたのかわからず、その場で動けなくなっている。
リリーはウェンディを守ろうとすぐさまメストの方へと走り出す。
だが、メストは動けなくなっているウェンディを腕を取る。
「ウェンディー!!」
シャルルとリリーはウェンディを助けようと走る。
ウェンディも突然メストに腕を取られ、逃げようとあがいた。だが、
「危ない!!」
ドガァン
四人のいた場所が突然爆発する。
しかし、メストはウェンディを抱えて瞬間移動し、リリーはシャルルを抱えてその爆発から逃れる。
「攻撃!?」
リリーはそう呟き、地上を見ると、メストがウェンディを下ろしている姿を見つけ、そちらに飛んでいく。
「どうなっている!?」
リリーがそういうと、
ドッドッドッドッ
「「!!」」
またもやどこからか攻撃が飛んできたため、二人はシャルルとウェンディを抱えたままその攻撃を交わす。
二人の間を通るように、地面が裂けていた。
(ウェンディを・・・守った?)
シャルルはメストがウェンディを守ったことに、驚いていた。
「誰だ!?出てこい!!」
メストは攻撃が飛んできた方向に声を出す。そこには、一本の木が立っていた。他には、何も見当たらない。
すると、その木から、人の顔のようなものが出てくる。
「よくぞ、見破ったものだ」
「ひっ!!」
「木から人が・・・」
「何者だ!!」
リリーが問うと、その木から人の顔の部分がうねうねと動き出す。
「俺の名はアズマ。悪魔の心臓、煉獄の七眷属の一人」
「グリモアハート!?」
「闇ギルドよ」
アズマという男の言葉に、ウェンディたちは驚く。
「さっきの信号弾は、敵の襲撃を知らせるものか」
「フム。今さら遅いと言っておこうか・・・」
そう言ったアズマは、木から上半身を乗り出す。
「一体・・・何がどうなっているんだ!?」
リリーはあまりの出来事に、状況を把握できずにそう叫ぶ。
「妖精の尻尾の聖地に侵入すれば、キナくさい話の一つや二つ、出ると思ったんだが」
「・・・」
リリーはそう言ったメストの背中を、静かに見つめている。
「黒魔導士ゼレフに悪魔の心臓、こんなでけぇヤマにありつけるとぁついてるぜ」
(ゼレフ?)
「あんた一体・・・!?」
ウェンディはメストの言ったゼレフという言葉に疑問を持ち、シャルルはメストに質問する。
「まだ気づかねぇのか?俺は評議院の人間だ。妖精の尻尾を潰せるネタを掴むために潜入していたのさ」
メストは笑みを浮かべながらそう答える。
「評議院!?」
「そんな・・・」
シャルルとウェンディは、メストの言葉に驚きを隠せない。
「ふっ、やはりそうか」
しかし、アズマは事前にカミューニから聞いていたため、特に驚いた様子もなくそう言う。
「だがそれもここまでだ。あの所在地不明の悪魔の心臓が、この島にやって来るとな。ふははははは!!これを潰せば、出世の道も夢じゃない。
万が一に備え、評議院強行検束部隊の本隊・・・戦闘艦をすぐそこに配備しておいて正解だった。
一斉検挙だ!悪魔の心臓を握りつぶやる!」
メストは自信満々にそう言った。だが、
「戦闘艦?あれのことかね?」
ドゴォーン
「な!!」
「え?」
「な・・・何をしたの!?」
突然アズマの背後で、評議院の戦闘艦が爆発してしまった。
「船が!!」
「バカな・・・」
メストやウェンディたちは、戦闘艦が爆発してしまったことに動揺する。
「フム」
アズマは自らの体を木から分離させ、人間の姿で地面へと降り立った。
「では改めて・・・そろそろ仕事を始めてもいいかね?役人さん」
「「「・・・」」」
「全員、下がってろ」
リリーはウェンディたちの前に立ち、アズマに向き合った。
その頃、ウェンディたちの方へと向かっていたシリルとセシリーは・・・シリルside
ドゴォーン
「ん?」
「何?今の~・・・」
俺たちの耳に、突然大きな爆音が聞こえてきた。まさか、もうウェンディに何か起きたんじゃ・・・
「あっちから聞こえたな!!」
「方角は間違ってなかったね~!!」
俺たちはその爆発音のしたほうへと急ぐ。
「ところでシリル~?」
「え?何?」
俺はセシリーに声をかけられたのでそちらを見る。
セシリーは何かを考えたあと・・・
「・・・やっぱりいいや」
「はぁ!?」
いきなり話すのをやめた。なんだよ!?
「ウェンディがこのシリルを見て、どんな反応するか気になるし~」コソッ
セシリーは小声でそう言い、クスクスと笑っていた。一体何のことだ?
第三者side
「な・・・何をしたの?」
「船が一瞬で爆発した・・・」
「評議院の戦闘艦が・・・こうもあっさり・・・」
戦闘艦が爆破されたことにより、メストは震えていた。
アズマとリリーが互いを見つめる。
「オオオオオオオ!!」
二人のうち、先に動いたのはリリー!雄叫びをあげながら、アズマへと接近する。
「リリー!!」
「ブレビー」
アズマが右手をリリーに向けると、その手から攻撃が放たれ、辺りは黒い煙に包まれる。
しかし、その煙からリリーが現れ、
「ラァ!!」
アズマにパンチを入れる。アズマはそれにより、後方に倒れそうになる。
「フム」
キィィィン
「!!」
すると、アズマを殴ったリリーを何かが覆い、爆発する。
「ぐあああああ!!」
「くっ!」
「「きゃああああ!!」」
その爆風により、近くにいたウェンディたちも飛ばされてしまう。
(せめて・・・剣があれば・・・)
リリーはエドラスでのガジルのと戦いで、バスターマァムを破壊されたため、今は素手で戦うことができないのである。
「リリー!!」
倒れていたウェンディは立ち上がり、リリーの名前を呼ぶ。
「援護します!!天を駆ける、俊足なる風を!!」
リリーの足元に、魔方陣が現れる。
「バーニア!!」
「体が、軽くなった」
リリーは速度上昇の魔法をかけられたことで、体を軽く感じる。ウェンディは、腕を空へと掲げる。
「天を切り裂く、剛腕なる力を!!」
ウェンディの掛け声で、リリーの体が光り出す。
「これが、サポートの魔法というものか」
「アームズ!!」
「ほう、まさかあれが・・・」
一方、アズマはそれを見て、何かを考えていた。
(これなら!!)
リリーはウェンディのサポートを受けて、再びアズマへと立ち向かう。
アズマはそんなリリーに、爆発魔法を放つ。
(この爆発魔法を・・・交わせる!!)
リリーは次々と自分に向かってくる攻撃を交わしていく。
「うやぁ!!」
爆発を交わしたリリーは、アズマに飛び蹴りを撃つが、アズマはそれを難なく交わす。
「メストさん!!私に作戦があります!力を貸してください!!」
そんな中ウェンディは、メストに向かってそう言った。
「何を言ってる!?俺は評議院の人間だぞ!」
「今はそんなの関係ありません!!私は妖精の尻尾を守りたい!!力を貸してください!!」
「俺は出世のために、お前たちのギルドを潰しに来たんだぞ!!」
「かまいません!!絶対、潰されたりしないから!!」
「!!」
そう言ったウェンディの力強い瞳に、メストは息を飲んだ。
「くぅ!!」
リリーはアズマの爆発魔法を避ける。
「リリー!!空へ!!」
「ウム!!」
シャルルの指示に従い、リリーは空へと飛び上がる。
「どこへ逃げても、俺の爆発は届くがね」
アズマは上空のリリーを見上げる。しかし、
(瞬間移動!!)
リリーに注意を集中させているアズマの背後に、メストとウェンディが現れる。
(無距離からの・・・)
ウェンディは口に目一杯魔力を溜める。
(今はこいつを排除するほうが得策だ)
(もらった!!)
リリーは勝利を確信し、笑みを浮かべる。
(天竜の咆哮!!)
ウェンディがアズマに向かってブレスを放つ・・・その瞬間、
「つまらんね」
アズマは両手を広げる。
「タワーバースト!!」
アズマのいる位置を中心に、威力のある炎の柱が上がり、それは近くにいたウェンディやメストのみならず、空にいたリリーまでも飲み込んでしまう。
「ぐわあああああ!!」
「きゃあああああ!!」
タワーバーストを喰らった四人は、地面へと力なく倒れる。
「う・・・うぐ・・・(時間・・・切れか)」
リリーは戦闘モードが解除され、小さい姿へと戻ってしまう。
ウェンディとシャルルは、意識を失っているのか、ピクリとも動かない。
(これが、噂に聞く煉獄の七眷属・・・こんなのがあと6人も・・・妖精の尻尾に勝ち目はない・・・)
メストはアズマを見上げ、恐怖し気を失ってしまった。
「確か、カミューニの話だと、補助魔法を使える少女のような奴が、水竜という話だったな」
アズマはなぜか、倒れているウェンディに歩み寄る。
「カミューニへの土産に、こいつを連れていくか」
アズマがウェンディを連れ去ろうと手を伸ばす。
「水竜の咆哮!!」
「!?」
突然アズマを水の攻撃が襲う。アズマはそれを間一髪で避ける。
「ほう・・・そっちが水竜だったか・・・」
アズマは攻撃が飛んできた方に視線を移す。そこには、真っ赤に染まっているシリルとセシリーがいた。
「ウェンディから離れろ!!」
「やれやれ・・・また子供かね。(こっちがカミューニの言っていた水竜か・・・なら)」
シリルはアズマを睨む。だが、アズマは全く戦う気がないように見える。
「お前の相手は俺じゃないね。水竜」
「何!?」
「フム」
アズマはそう言うと、地面を爆発させる。
「くっ!!」
「うわあああ!!」
その爆風により、シリルは目を瞑り、セシリーは飛ばされてしまう。
爆風が晴れ、シリルがアズマのいたところを見ると、そこにはアズマの姿はなくなっていた。
「消えた・・・」
「な・・・なんだったのあいつ~」
シリルとセシリーは、辺りをキョロキョロと見回したが、どこにもアズマは見当たらなかった。
悪魔の心臓の戦艦にて・・・
まもなく、悪魔の心臓の戦艦は、天狼島へと到着しようとしていた。
「ウルティアさん、いつになく気合い入ってんな」
ザンクロウは戦闘服に着替えているウルティアを見てそう言う。
「当然だ。私もこれを戦争と心得る」
カプリコもそれに同意した。
「行こう。戦いという名の楽園へ」
「あ・・・あ・・・じ・・・自分も・・・あれっす・・・ウーウェ・・・」
華院=ヒカルはモジモジとしていて何を言っているのかわからない。
「ったく・・・アイズとルイズの野郎・・・簡単に負けやがって・・・」
カミューニはそう言ったあと遠くを見ていた左目を塞ぐ。その目の色が、先程までの水色から通常の黒い目への変わる。
「お兄ちゃん?」
「いや・・・なんでもねぇよ。メルディ」
無表情でカミューニに声をかけたメルディに、カミューニはそう答える。メルディは首を傾げ、前を見る。
「ウル!!あれ!!」
「私をウルと呼ぶな」
メルディが前方に何かを見つけ、ウルティアにそれを教えようとしたら、ウルティアはメルディを睨みながらそう言う。
「ご・・・ごめんなさい・・・」
「悪ぃ悪ぃ、ウルティア」
萎縮しながら謝るメルディと適当に謝るカミューニ。
ザンクロウは落ち込んでいるメルディに近づく。
「 そんなナーバスになるなってば。で?どうしたメルディ」
「見えてきた」
「え?」
煉獄の七眷属たちとマスターハデス、そして、カミューニは視線を前へと向ける。
「妖精の島」
そこには、メルディの言う通り、天狼島が見えてきていた。
「ふ~ん・・・あれがねぇ・・・」
「え!?」
カミューニが呟き、ウルティアは何かに驚く。
ウルティアが驚いたのは、何かが巨大化していたからであった。
「ありゃあなんだい?」
ザンクロウがそう言う。その大きくなっているのは、妖精の尻尾三代目マスター、マカロフ。
「巨人・・・?」
「ウーウェ・・・」
「マジかよ・・・」
「でかい」
「久々に見たな。巨人化」
巨人となったマカロフを見て、ウルティアたちは驚く。
「ふっ、マカロフ」
しかし、それを見たハデスは、どことなく楽しそうだった。
「消えろ!!」
マカロフは目を光らせ、悪魔の心臓の戦艦を見据える。
「ここから先へは行かせんぞ!!」
マカロフは悪魔の心臓の戦艦を殴る。
「フヌゥゥ!!」
「ぐお!!」
「ウーウェ!!」
「右舷大破!!」
「強化装甲がいとも簡単に!!)
「なんてことだ!!」
攻撃を受けた戦艦の中では、兵隊たちが慌てていた。
マカロフは今度は左手で戦艦に攻撃する。
「速度を上げろ!!」
しかし、その攻撃は交わされてしまう。
「魔導集束砲ジュピター」
ハデスの指示により、戦艦はマカロフに大砲を向ける。
その大砲から、黒い光線がマカロフを襲いかかろうとする。
「ぬぅぅぅぅ!!」
しかしマカロフはそれを腕で受け止めてしまう。
「ほう」
「かあっ!!」
マカロフは右足を蹴り上げ、戦艦はそれにより大破してしまう。
「船が・・・」
「なんて奴だ!!」
「これがマカロフ!!」
崩れ始める船を見て、戦闘員たちはそう言う。
「ウルティア」
「は!時のアーク、レストア」
ウルティアの言葉と同時に、破壊された悪魔の心臓の戦艦は元通りに回復する。
「カプリコ、全員をあの島に連れていけ」
「ハデス様は?」
「私はマカロフを片付けよう」
「了解」
「俺もいいや。あとから適当に行くから」
「わかりました」
カプリコが手を叩くと、その場にいたカプリコとハデス、そしてカミューニ以外の人間が姿を消す。
残ったカプリコは、ジェット付きのハンググライダーで戦艦から島へと飛んでいく。しかし、マカロフはそれを見逃さなかった。
「どこへ逃げても無駄じゃ!!」
マカロフはそう言い、両手に光を溜め始める。
「妖精の尻尾、審判のしきたりにより、貴様らに三つ数えるまでの猶予を与える」
マカロフの両手の光が、次第に大きくなっていく。
「術者が敵と認識した者を全て討つ超魔法」
「一つ・・・」
「妖精の法律か」
「二つ・・・」
数を数えるマカロフとそれを冷静に分析しているハデス。
シリルside
「ウェンディ!!起きろ!!」
「シャルル!!リリー!!大丈夫~!!」
俺たちは気絶しているウェンディとシャルルとリリーを揺するけど・・・完全に意識を失ってるな。
「シリル!!ウェンディ!!」
「ナツさん!!」
するとナツさんとハッピーもこちらに向かって走ってくる。
「あれ!?リリー!!シャルル!!なんで二人がここにいるんだよう!!」
「僕たちにもわからないよ~!!」
ハッピーはリリーとシャルルを見て、あたふたとしている。多分シャルルはウェンディが心配で飛んできちゃったんだろうな。リリーは付き合わされただけだろうけど。
「ウェンディ!!くそっ!!誰にやられたんだ!!」
「あのですね・・・」
俺が説明しようとしたら、ナツさんの視線はある男の前で止まる。
「お前か!?オイ!!この野郎!!」
「うぐ・・・」
ナツさんはメストさんの胸ぐらを掴んで起こす。
「ナツさん、その人じゃないです」
「その人は評議院の人です」
「い・・・いいコートだね~」
「切り返し早ッ!!」
気がついたウェンディからメストさんの正体を聞いたナツさんは、メストさんのコートの襟を正して土を払う。
俺はあまりの切り返しの早さに突っ込んでしまった。
「て!評議院が敵なのかーー!!!」
「あいやーー!!!」
ナツさんとハッピーは抱き合って驚いている。
「違うわよ・・・敵は悪魔の心臓。闇ギルドよ!!」
シャルルも気がついたみたいでナツさんたちに説明してくれる。
「悪魔の心臓!?」
「闇の三大組織、バラム同盟の一角じゃないか!!」
ナツさんとハッピーは知らなかったらしく、互いに顔を見合わせていた。
「ウェンディ。立てる?」
俺はウェンディに手を差し出す。
「ありがとう、シリ・・・ル!?」
俺の手を取ろうとした時、ウェンディが驚きの表情を浮かべる。どうした?
「あんた!!なんでそんなに血だらけなのよ!!」
「え?」
シャルルに言われて気づいたが、俺の体が全身血まみれだった。もしかして、さっきの戦いで返り血を浴びちゃったのか?
しょうがないので俺は自分についた血を洗い流す。
「もしかして、これって返り血?」
「そうだよ~」
シャルルはセシリーにそう聞くと、少し安心した顔をする。なんか心配かけてごめんな。
「あれは・・・なんだ?」
傷だらけのリリーが空を見上げてそう言う。俺たちも同じように空を見上げる。
見上げた先には、ジェット付きのハンググライダーを使って何かが空を飛んでいる。
その何かから、俺たちのいる地上へとオレンジ色のシャボン玉が落ちてくる。
「なんですか?あれ」
「シャボン玉?」
俺たちがそれを見ていると、そのシャボン玉が割れて中から人が現れる。
「人!?」
「えぇ!?」
「空から人が降ってきた~!!」
シャルル、セシリー、ハッピーがそれを見て驚いている。まさかあれが悪魔の心臓の奴らなのか!?数が多すぎねぇ?
「やるしかないですね」
「だね」
「燃えてきたぞ」
俺たちは目の前のたくさんの敵を見てそう言った。
第三者side
「また争いが・・・始まるのか・・・」
ゼレフは空を見上げ、悲しそうに呟いた。
その頃、妖精の法律を発動しようとしているマカロフは、
「三つ。そこまで!!」
マカロフは敵に与えた猶予である三つの刻を数え終えると、光を集めた両手を合わせる。
「妖精の法律!!」
「やめておけ」
マカロフが妖精の法律を放とうとした時、悪魔の心臓のマスター、ハデスは戦艦の上に立ち、そう言った。
「ぬぅ?」
マカロフは船の上に立っているハデスを睨むように見る。そのハデスの両手には、マカロフ同様に魔力が・・・黒い魔力が集まっていた。
「!?」
「悪魔の法律」
「!!?」
マカロフはハデスの使おうとしている魔法を見て驚く。
「この魔法は抑止力だ。むやみに解き放ってはいかん。それでも互いに引かんと言うなら、それは双方にとって最悪の結末となるぞ?」
マカロフはそういわれ、妖精の法律を撃つのをやめる。
「そそ・・・そんな・・・まさか・・・」
マカロフはハデスの顔を見て驚きを隠すことができない。
「久しいな、小僧」
「マスター・・・プレヒト・・・」
マカロフは震えながらそう言った。目の前にいる悪魔の心臓のマスターが、48年前、マカロフにマスターを任せた男、プレヒト・ゲイボルグだったからである。
後書き
いかがだったでしょうか。
次回もよろしくお願いします。
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