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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三十六話 終業式その八

「それぞれ六人ずつで」
「そしてです」
「僕もですね」
「私も同行させて頂きます」
「あっ、畑中さんもですか」
「留守は妻が残りますので」
 それで、というのだ。
「ご安心下さい」
「そうですか、わかりました」
「他にもメイドの小柳さんが残られます」
「八条荘にですね」
「はい、お掃除等はそのままです」
 旅行中にもというのだ。
「ですからご安心下さい」
「わかりました、ただ」
「ただとは
「入居者の人は全員で」
 僕は腕を組んで考える顔になりながら畑中さんに尋ねた。
「他の人は」
「はい、運転手の小柳さんと厩番の前川さんです」
 馬丁のその人もというのだ。
「あの方々も来られます」
「そうですか、四人ですか」
「そして他にも二人の男の方が」
「誰ですか?」
「久保田さんと伊藤さんです」
 八条荘に使用人として働いてくれているお二人だというのだ。
「その方々が」
「ですか、わかりました」
「小野さんは運転手でもありますので」
「バスで長崎まで、ですか?」
「いえ、電車の予約も取れました」
 そちらもというのだ。
「このこともご安心下さい」
「じゃあ小野さんは休めますね」
「小野さんには休んでもらいます」
 畑中さんはこのことはしっかりと言った。
「旅行中は」
「わかりました、そういえば」
 僕は小野さんのことで思い出したことがあった、畑中さんにその思い出したことを話した。
「夏休みの間の畑中さんのお仕事ですけれど」
「そのことですか」
「皆何時学校に行くか決まっていないので」
「だからですね」
「はい、別にいいと思いますけれど」
「通学は自転車ですね」
「それでいいですよね」
 僕は畑中さんにこう提案した。
「夏休み間は学校には自転車で」
「私もそう思います、ただ」
「ただ?」
「小野さんのお仕事は他にもありまして」
「あっ、食材や生活用品の買い出しですね」
「はい」
 八条荘のそれもだ、畑中さんのお仕事だ。買うのは小野さんでも車を運転するのは小野さんがするのだ。
「それがあります」
「だからですね」
「それはです」
「あるんですね」
「そうです」
 こう僕に話してくれた。
「私も旅行中は休んでおきます」
「わかりました、やっぱり人は休むことも必要ですね」
「これでも休暇は取っていますので」
「日曜は、ですね」
 畑中さんは毎週日曜は休んでくれている、それでその時はゆっくりしてくれている。 
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