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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三十五話 夏休み前その三

「もう毎日ね」
「お風呂入ったんだ」
「水風呂が多かったけれど」
「それでも入ることは入ってたんだ」
「さもないと汗臭くなるから」
 だからどうしてもというのだ。
「その汗臭さかね」
「気になるんだ」
「男の子よりもきついのよ」
「匂いが?」
「そう、だから朝に入って」
 そして、とだ。ダオさんは眉を顰めさせたまま話した。
「夜もね」
「入るんだね」
「この暑さだとね」
「そうそう、シャワーを二回は浴びないと
「ちょっとね」
 ラブポーンさんとイタワッチさんも言う、テレサさんとマルヤムさんも無言で頷いている。東南アジア系の娘達が。
「汗臭くて」
「汗ばんで」
「嫌な気持ちになるから」
「普通にね」
「ブラジルもよ」
 ニキータさんも言うのだった。
「本当に暑いから、特にアマゾンは言われてるわ」
「あそこはまた別格でしょ」
 そのニキータさんにダオさんが突っ込みを入れた。
「うちのジャングルなんてめじゃないでしょ」
「多分ね」
「あんな猛獣と毒蛇だらけの場所は」
「それはそっちのジャングルもでしょ」
「格が違うわよ、格が」
 アマゾンはというのだ。
「あそこは」
「ピラニアとか?」
「あんな魚もいないから、ばかでかい鯰とかピラルクも」
 ダオさんはこうした魚の名前も出した。
「海豚までいるじゃない」
「大きな川だからね」
「あそこで生きていこうって思ったら」
 それこそというのだ。
「もう仮面ライダーでもないと無理よ」
「あのケケーーーーッって鳴く?」
「それで手の鰭で切り裂くね」 
 僕も知っている、そのライダーは。全話は観ていないけれどとにかく野性味溢れる強烈なヒーローで結構好きだ。
「ああした人でないとね」
「生きていけないっていうのね」
「そのままだとね」
「まあ確かに凄い世界だけれどね」
「うちのジャングルなんて全然小さくて穏やかだから」
 アマゾンと比べると、というのだ。
「本当に」
「そこまで凄いっていうのね」
「実際にね。まあとにかくね」
 ここでダオさんは話を戻してきた。
「お風呂は後でさっとシャワーを浴びるわ」
「それで学校に行くんだね」
「そうよ、だから急いで食べるし」
 ダオさんはこう僕に話してくれた。
「それで浴びてくるわ」
「それじゃあね」
「テストが終わって」
 また言うダオさんだった、今度はこの話だった。
「一学期は後は」
「もう消化試合みたいなものよ」
 日菜子さんがダオさんに答えた。
「終業式までね」
「楽なものなのね」
「まあね。授業時間も減るし」
「後はもうそのまま」
「終業式の後はね」
「夏休みね」
「そうなるわ」
「わかったわ」 
 ダオさんはここまで聞いて納得してだ、日菜子さんにあらためて言った。 
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