八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三十五話 夏休み前その二
それからサウナに入って汗をかいて水風呂に入ってを繰り返した、そして六時近くになるまで入ってだった。
お酒を完全に抜いた状態でお風呂を出た、それから。
服を着て一階に戻った、それから食堂に入と。
二日酔いの娘はいなかった、僕はそれを見てダオさんに尋ねた。
「皆大丈夫だった?」
「二日酔いのこと?」
「うん、そっちは」
こう尋ねた。
「ダオさんも」
「ダオは幾ら飲んでもね」
「大丈夫なんだ
「お酒強いから」
自分からの言葉だった。
「平気よ」
「そうなんだ」
「けれど二日酔いの娘もいたわ」
僕の予想通りにというのだ。
「けれどその娘達はね」
「お風呂に入ってかな」
「そう、それでね」
「お酒抜いたんだ」
「義和君もでしょ」
ダオさんは僕を見てくすりと笑って言って来た。
「シャンプーとボディーソープの匂いするわよ」
「お酒の匂いじゃなくて」
「そっちの匂いがするわよ」
そのくすりとした笑みでの言葉だった。
「すっきりしてきたわね」
「うん、正直とてもね」
「お酒が残ってたらっていうのね」
「学校にも行けないからね」
「いいんじゃない?お酒を飲んでもね」
「二日酔いのままだとだね」
「何も出来ないみたいだからね」
二日酔いの経験がないという言葉だった、どうやらダオさんは本当にお酒が強いらしい。昨日は相当な勢いでウイスキーを飲んでいたのに。
「いいと思うわ」
「飲んですぐに入ったらまずいけれどね」
「一回寝た後だといいでしょ」
飲んだ後お風呂に入ってもというのだ。
「四時間半位寝たでしょ」
「それ位だよ」
「だったらましよ、ずっとね」
「だといいけれどね」
「それじゃあね」
「いや、それにしても」
僕はお酒が抜けてすっきりとした顔でまた言った。
「二日酔いにはお風呂だね」
「気持ちいいのね」
「うん、ダオさんは入ってないんだ」
「別にね」
こう僕に答えた。
「起き抜けよ」
「みたいだね、そういえば」
髪を見れば濡れた後がない、そこでわかった。
「じゃあそのまま行くのかな」
「いや、後で入るわ」
「御飯を食べてから」
「それからね」
「それで学校に行くんだね」
「そう、やっぱり夏はね」
ダオさんは少し顔を顰めさせた、ここで。
そうしてだ、僕にこう言った。
「よく身体を洗わないとね」
「汗臭くなるからね」
「言っておくけれどね、女の子って大変なのよ」
「お風呂が」
「そう、髪の毛もね」
その長い黒髪を触りながらの言葉だった。
「よく洗わないといけないけれど」
「長いと洗って乾かすことも大変だよね」
「そうよ、だからね」
「色々と大変なんだ」
「ベトナムはもっと暑いから」
伊達に熱帯、亜熱帯に区分されるかも知れないけれどその場所にあるだけにというのだ。そういえばベトナム戦争の映画では舞台によくジャングルが出ていた。
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