八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三十四話 テスト終了その十三
「生のお魚やお肉はね」
「他の国から見れば」
「凄く変わってるって言われるしね」
「海草食べるのがネ」
ジューンさんがこう言って来た、水蓮さんと一緒に日本酒を飲みつつ。黒枝豆も食べている。
「私的にはネ」
「冷えた御飯は駄目ある」
水蓮さんはこちらだった。
「あれは中国では食べないある」
「そうそう、アメリカでも海草食べないかラ」
「そうしたものには驚くあるよ」
「何か日本の食文化も」
ダオさんもそうしたお話を聞いて言う。
「凄いのよね、私もね」
「あんたもなの」
「いや、びっくりしたわよ」
ダオさんが美沙さんに言う驚いたことはというと。
「生春巻きあるでしょ」
「あれベトナム料理よ」
「そのベトナム料理にイクラ入れたりするから」
「ああ、居酒屋であるわね」
そうした生春巻きもとだ、美沙さんは答えた。
「ああいうのなのね」
「あとホッケっていうお魚」
「あのお魚がどうかしたの?」
「あんなお魚はじめて食べたわ」
こう美沙さんに言うのだった。
「美味しくてしかも食べやすくて」
「驚いたのね」
「最近高いらしくて残念だけれど」
それでもというのだ。
「あんな美味しいお魚もあるのね」
「驚いたのはそのこと?」
「他にもあるわよ、ナムプラーもあったし」
「ナムプラーって?」
「しょっつるのことね」
ここでだ、こう言ったのは香織さんだった。
「あれはお魚から作るけれど」
「それがあったから、日本にも」
「驚いたのね」
「日本人は凄いわよ」
ダオさんは素直な言葉も出した。
「いや、本当に」
「しょっつるが?」
僕は思わずダオさんに問うた。
「そんなに凄いのかな」
「あれはね、神様の調味料よ」
ダオさんはしょっつる、ベトナム等で言うナムプラーについてこうまで言った。ウイスキーで干し肉を食べながら。
「あんな美味しいものないから」
「確かにいい調味料だけれどね」
「それがあるから」
だからだというのだ。
「日本は素晴らしいわ」
「そこまで言ってくれるんだね」
「だってね、ベトナム出る時にね」
ダオさんはその時のこともだ、僕に話した。
「日本は大豆のだけって聞いてたか」
「お醤油は」
「そう、それ以外はないってね」
そう聞いていたからだというのだ。
「それがあるから」
「いや、昔からあるよ」
僕は黒ビールを大ジョッキで飲み続けながらダオさんに話した。
「しょっつる、つまりナムプラーはね」
「そうなのね」
「確かにお店で売っているのは殆ど大豆からのものだけれど」
大豆から作るお醤油である。
「それでもね」
「ナムプラーもちゃんとあるのね、昔から」
「そうだよ、というかね」
「というか?」
「昔はお醤油もなかったんだよね」
僕はダオさんにこのことも話した。
ページ上へ戻る