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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三十四話 テスト終了その十二

「そっちの舌には合わないかもね」
「それでも飲んでるのよね」
「そうそう、観光客のそっちの国の人はね」
 ダオさんは自分で自分のコップにウイスキーを入れつつ話した。既にそのコップの中には氷が入れられている。
「もうビールごくごく飲んでるわ」
「口に合わないのに」
「何かね」
 それこととも言うダオさんだった。
「あと食べるものはね」
「そちらはどんな感じなのかしら」
「もう何でも食べてるわよ」
「何でも」
「そう、もう何でも大量にね」
 食べているというのだ、ベトナムでのオーストラリア人は。
「生春巻きでもビーフンでも。犬以外何でも食べてるわね」
「犬!?」
 犬と聞いてだ、ジョーンさんがふと言って来た。
「ベトナムでは犬を食べますか」
「食べるわよ」
 普通にだ、ダオさんはジョーンさんに答えた。
「私はあまり食べないけれどね」
「ベトナムでもですか」
「そうよ、何かあるの?」
「いえ、犬といえば」
 ここでだ、ジョーンさんは。
 水蓮さんやラブポーンさんを見てだ、こうダオさんに言った。
「中国のことは聞いていましたし」
「あとタイもなのよね」 
 ラブポーンさんも言った。
「食べるのよね」
「そうですね、ですがベトナムもですか」
「そうよ、犬食べるなとか言わないわよね」
「そうしたことは言いません」 
「だといいけれどね」
「はい、他国の食文化に口を挟むなと」
 ジョーンさんもビールだった、そのビールを飲みつつダオさんに話していた。
「父に言われていまして」
「いいお父さんね」
「私もそう思います、それを言いますと我が国の食文化も」
「何かあるの?ニュージーランドのお料理に」
「羊が多いですが」
 その羊料理がというのだ。
「マトンの匂いは日本では好かれていないと聞いています」
「ああ、マトンはね」
 美沙さんがすぐにだ、ジョーンさんに言った。
「匂いに癖があってね」
「それで、ですね」
「苦手な人もいるわよ」
「前にもこうしたお話しましたが」
「そうよね、けれど実際にね」
「苦手な方もおられますね」
「私的にはあの匂いこそがいいんだけれどね」
 マトン独特の匂いがというのだ。
「食欲をそそるでしょ」
「私もそう思いますが」
「けれど、なのよ」
「それが、ですね」
「ラムの方が好かれてるわね」
 僕もそうだと思いながら聞いていた、日本人は羊についてはマトンの場合は匂いがどうかという人がいる。
 けれどだ、ラムの方はなのだ。
「匂いが強くないから」
「そうですよね、それと」
 ジョーンさんはここでこうも言った。
「日本のお刺身も」
「生でお魚食べるあれ?」
「あれも最初聞いて驚きました」
「それよく言われるわ。北海道って海産ものも有名だけれど」
 函館が特に有名だ、僕も函館に行ったことがあるけれどあそこの烏賊や鮭、蟹は驚く位に美味しい。海鮮丼の味も堪能した。 
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