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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三十四話 テスト終了その八

「そっちだから」
「じゃあウイスキーは今回も」
「飲むとしても」
「少しね」
「ほんのね」 
 こう答えた。
「それで他のお酒だね」
「カクテルは」
「カクテル?」
「そちらはどうかしら」
「お店で缶で売ってるのは飲むよ」
 よく売っているカシスオレンジとかはだ。
「そっちはね」
「そうなのね」
「うん、けれどね」
「そうしたカクテルは」
「お店で飲むことはないから」
 だからだとだ、僕は答えた。
「あまりないよ」
「そうなのね」
「カクテルはね」 
 どうかとだ、また言った僕だった。
「嫌いじゃないけれど」
「飲む機会はない」
「そうなんだ、まあそれでもね」 
 また言った僕だった。
「飲めるから」
「わかったわ、じゃあそのカクテルもあるから」
 香織さんは僕の言葉を聞いて微笑んで言ってくれた。
「そっちもよかったらね」
「うん、飲ませてもらうよ」
「一杯あるから」
「そんなにあるんだ」
「小野さんも出してくれたの」
 シェフのあの人もというのだ。
「ワインとかウイスキーまでね」
「そのウイスキーもなんだ」
「あとビールも」
 こちらのお酒もというのだ。
「それも黒ビールね」
「あっ、黒ビールあるんだ」
 黒ビールと聞いてだ、僕は思わず言った。実はビールは普段はあまり飲まないけれど黒ビールはなのだ。
「それならね」
「飲む?黒ビール」
「うん、是非」
 強い声でだ、僕は香織さんに答えた。
「飲ませてもらいたいよ」
「それじゃあね」
「行こう、一階に」
「何か態度変わったわね」
「黒ビールだからね」
 目を輝かせていたと思う、この時の僕は。
「そりゃ飲みたいよ」
「本当に黒ビール好きなのね」
「色も味もね」
「普通のビールとはまた違う味だから」
「普通のビールより好きだよ」
 こうもだ、僕は答えた。
「あのビールはね」
「じゃあ今すぐに」
「行こう」
 僕の方から一階に向かった、そして実際に一階に行くとだ。もう皆集まっていた。部屋に住んでいる女の子は全員だった。
 その皆を確認してからだ、僕は言った。
「全員いるね」
「やっとテスト終わったのよ」
 ダオさんがこう僕に答えた。
「それならよ」
「飲まないとだね」
「打ち上げよ、打ち上げ」
 それで、というのだ。
「飲まない訳にいかないでしょ」
「ううん、僕はテスト中でも飲んでたからね」
 夜はとだ、僕はダオさんに答えた。 
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