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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三十四話 テスト終了その七

 僕達はその呉と江田島の話もした。僕も美沙さんと話しているうちにあの島の青い海と空を思い出した。
 学校から帰る時はもう空は赤くなっていた、けれど思うのは青い空のことだった。江田島のその空を思い出しつつ。
 僕は八条荘に帰った、そして。
 八条荘に帰ってまずはお風呂に入ってだった。
 晩御飯の後はゆっくりした、具体的には書斎にいたけれど。
 書斎の扉をノックする音が聞こえてきた、それで扉を開けるとだった。
 そこには香織さんがいた、その香織さんがだ。
 僕にだ、こう言って来た。
「今からね」
「今から?」
「テストが終わったから」
 それで、というのだ。
「打ち上げがあるけれど」
「打ち上げ?」
「飲むんだけれど」
「ああ、お酒をなんだ」
「そう、皆でなの」
 静かに微笑んでだ、僕に話してくれてきた。
「それで義和君もどうかしらって思ってね」
「誘いに来てくれたんだ」
「そう、どうかしら」
 こう僕に言ってだ、案内してくれた。
「ダオちゃんが是非にって言ってね」
「ああ、ダオさんからなんだ」
「義和君も呼ぼうってなって」
「それで何処で飲むのかな」
「一階の大広間。もう用意は出来てるわ」
「あっ、もうなんだ」
「そう、だから後はね」 
 準備万端整っている、それで次の段階に至るというのだ。
「義和君がどうするかだけよ」
「終わったしね、テスト」
 正直ほっとしている、そのことで。だから今も落ち着いていた。そろそろゲームか何か書斎のテレビでしようと考えてもいた。
「それなら」
「お酒もいいわよね」
「飲むよ」
 こう僕に話した。
「今日はね」
「そう、じゃあ行こう」
「一階にね」
「ワインもあるしビールもあるし」
「他のお酒もだよね」
「ウイスキーもあるわよ」
 そちらのお酒もというのだ。
「ダオちゃんが用意してくれたの」
「ダオさんってウイスキーも飲むんだ」
「結構強いお酒が好きみたいなの」
「それでなんだ」
「ウイスキーもね」
「ウイスキーはね」
 ウイスキーと聞いてだ、僕はというと。
 微妙な顔になってだ、こう香織さんに答えた。
「僕は飲まないんだよね」
「そういえばそうね」
「バーボンとかもね。ブランデーとか老酒も」
「強いお酒は駄目なのね」
「焼酎もね」
 こちらのお酒もだ、実は。
「あまり、なんだ」
「駄目なのね」
「そうなんだ」
 これがとだ、僕は答えた。
「どういう訳かね」
「そうした人もいるわね」
「アルコール度の強くないお酒を量飲むんだ」
 僕はこちらの方だ、強いお酒を少し飲むよりもだ。ワインや日本酒位のアルコール濃度のお酒が精々だ。 
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