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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三十四話 テスト終了その四

「だからね」
「白になったんだな」
「ネービーブルーじゃなくてね」
 海軍のそれでなくだ、ついでに言うとこのネービーブルーが次第に海軍の冬服の色である黒になったらしい。
「そうなったみたいだよ」
「成程な」
「そういうことだから」
「海自さんは夏は白か」
「そうなっているんだ」
「汚れが気になってもか」
「カレー食べる時なんか」
 想像するだけでだった、このことは。
「大変だろうね」
「醤油を使うことさえな」
「うん、ちょっとでもはねたら」
 そのカレーなり醤油なりがだ。
「もう目立つからね」
「汚れがな」
「僕もね」
 喜多君にそれは、という顔で返した。
「夏に白はいいけれど」
「汚れがな」
「目立つからね」
 どうしてもだ。
「だからあまり着ないんだ」
「それが賢いな」
「そうだよね、白はね」
「本当に汚れが目立つからな」
「何か昔は」
 白からだ、僕はこの制服を思い出した。
「海軍のその詰襟だけれど」
「あの格好いい服がどうしたんだ?」
「不良の人が着ていたらしいよ」
「ああ、白ランか」
「そうそう、あれね」
「白ランは格好いいけれどな」
「汚れが大変だったんだね」
 僕はこのことをしみじみとして言った。
「昔の不良の人達の服って凄かったけれど」
「そうだな、白ランもそうだしな」
「他にもね」
「長ランもな」
「そうそう、あったけれど」
 もっと言えば八条学園の制服にもある。
「どれもね」
「目立つな」
「目立つことがね」
「不良の人達のアイデンティーで」
 それで、というのだ。
「白ランもだよね」
「その為だったんだな」
「確かに目立つけれど」
 それでもとだ、僕はどうしてもと言った。
「いや、本当にね」
「汚れが目立つからな、白だと」
「よくあんなの着てたよね」
「海自さんでもあれだろ」
「何か話を聞いたら」
 その海自さんの人もというのだ、あの白の詰襟を着ればだ。
「一回着たらすぐにクリーニング屋さんに出すらしいから」
「一回でだな」
「うん、着たらね」
「汚れるからだな」
「あの開襟半袖の制服も」
 こちらは略装というらしい、あの詰襟が正装であり礼装らしい。海自さんの夏の制服は二種類あるとこのことだ。
「一日着たらね」
「洗わないといけないんだな」
「あっちは洗うの楽らしいけれど」
「本当に白だと大変だな」
「そうだよね」
「しかも」
 喜多君はこんなことも言った。
「白は透けるからな」
「下着がだね」
「トランクスの色とかな」
「そうだよね、形とかもね」
「透けるからな」
「だから困るよね」
「中々大変だよな」
 僕にこう話してくれた。 
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