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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三十四話 テスト終了その三

「あそこはね」
「行進とかな」
「あと制服の手入れとか」
 その中には靴も入る、靴磨きもだ。
「大変らしいね」
「ベッドとかも」
「ベッドメイキングだね」
「僕そんなことしたことないよ」 
 喜多君は顔を曇らせて言った。
「自分のベッドをなおしたりとか」
「それは僕もだよ」
 その喜多君に答えた、僕も。
「ベッドなおしたりとかね」
「布団は畳んでも」
「ちょっとね」 
 それこそだった。
「ベッドをなおすとかは」
「ないよな」
「普通はね」
「生活が凄く厳しいんだな」
「みたいだね、そもそも」
 こんなこともだ、僕は話した。
「あれじゃない、海自さんの制服って夏は白だから」
「ああ、白はな」
 喜多君も僕の言いたいことを察してだった。そうして理解した顔で頷いてそのうえで僕にこう答えてくれた。
「汚れるとな」
「少しした汚れでもね」
「目立つからな」
「うん、特に海軍からの詰襟」
 白のそれだ、山本五十六長官も着ていた。
「あれはね」
「物凄く汚れが目立つよな」
「そうだよね」
「何で白なんだ?」
 喜多君は海自さんの制服のその色について不思議に思って言った。
「そもそも」
「ああ、あれね」
「陸自さんは緑、空自さんは青でな」
「海自さんはね」
「冬は黒だからな」
 もっと正確に言えば黒と金だ、士官の人は。
「夏もズボン位はな」
「黒でもいいっていうんだね」
「それで何なんだ?」
 上下共にというのだ。
「靴までな」
「あれ海に落ちたらね」
 海自だから当然海かその近くで戦う、それでどうしても海に落ちる場合について考えが及ぶのだと思う。
「目立つかららしいよ」
「ああ、白だとか」
「青い海の中でね」
「確かに目立つな」
 喜多君も話を聞いて納得した。
「白だとな」
「青い海の中だとね」
「黒よりもな」
「それに夏の日差しもね」
「白だと跳ね返すからな」
「涼しいからね」
「黒だとな」
 冬服のそれだとだ。
「光、熱気まで吸うな」
「それで熱くなるね」
「どうしてもな」
「けれど白ならね」
 この色ならだ、服の色一つで寒暖が違うというけれど夏にはそのことが一番わかる。特にその白と黒でだ。
「熱気も跳ね返すから」
「だからか」
「何かイギリス海軍かららしいよ」
 このことは中学校の頃に海自さんの人に聞いた。
「夏に白になったのは」
「イギリスか」
「赤道の辺りで夏の暑さが凄いから」
「その時に船で通るとな」
「凄く暑いから」
 それで、とだ。その海自の人に教えてもらった。 
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