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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三十四話 テスト終了その二

「そこは気をつけないとね」
「外で走るしな」
「そうそう、去年もそうだったし」
「熱中症には気をつけないとな」
「日射病にもね」
 僕はこちらの病気の名前を出した。
「気をつけないとね」
「だよな、あと大家」
 喜多君はここでだ、僕ににやりと笑ってこうも言って来た。
「広島だからな」
「ああ、牡蠣だね」
「それと広島焼きな」
「そっちもあったね」
「それと酒な」
 喜多君はこちらも話に出した。
「柑橘類もあるしな」
「そっちも楽しめるね」
「軽音楽部なんてな」
 あそこの部活はだ、それこそというのだ。
「もう飲んで飲んで」
「凄いみたいだね、あそこは」
「女子の方もな」
「むしろ女子の方が凄いかもね」
 僕はここでこう喜多君に返した。
「あの部女子寮の娘が多いけれど」
「ああ、今の女子寮はな」
「酒好きの娘が多いらしいね」
「揃ってるらしいな、実際」
「だからね」
「女子の方が飲むか、そっちは」
「そう思うけれど」
 ただだ、僕は喜多君と話しながらふとお酒のことを思い出してだった。喜多君にこうも言った。
「お酒は好みがあるからね」
「日本酒なりビールなりか」
「飲むお酒はそれぞれだからね」
「広島は日本酒だけれどな」
「日本酒だけとは限らないよね」
「そういえば僕も」
 喜多君も僕の言葉を受けてだ、自分のことを話した。
「ビール派だな」
「日本酒はあまりだよね」
「嫌いじゃないけれどな」
 それでもというのだ。
「やっぱり飲むんならな」
「喜多君はビールだね」
「あれが一番好きだな」
「だからね」
 酒はとだ、また喜多君に言った。
「何を飲むかはわからないね」
「そうなんだな」
「うん、まあとにかく江田島でやるんなら」
 僕もだった。
「勝手がわかるからね」
「いいよな」
「うん、それと」
 僕は喜多君にさらに言った。
「江田島だから」
「ああ、あそこはな」
「海軍のね」
「今も幹部候補生があるからな」
 かつては兵学校があった、そうした場所だからだ。
「あそこ回るな」
「うん、絶対にね」
「史跡研修でな」
「去年も行ったね」 
 僕はこう喜多君に話した。
「あそこに」
「ああ、ただな」
「ただって?」
「あそこの訓練とか厳しいんだよな」
「そうそう、兵学校だったからね」
 かつてはだ、第二次世界大戦が終わるまでは。 
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