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フリージング 新訳

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第27話 Machination 6

 
前書き
話が一向に進まない……何やってるんだろうか……キャシーさんまでしばしお待ちを‼︎ 

 


夜中の訓練場に、二つの影が高速でぶつかり合う。

一つはその腕に、大型のブレードを振るっている、ブロンドの女性。

もう一つは、両腕両足に取り付けられた鋼で、拳を突き出す浅黒い肌の女性。

その二人の得物が交錯し、お互いの命を奪おうと肉薄する。拳がブレードを弾き、ブレードが拳を叩き伏せる。
その戦闘は、もはや人の物ではない。
形容するとしたら、女神と女神の戦争である。まさに、人知を超えた戦いだ。
何方かの攻撃が放たれるたびに、地面が、壁が、天井が悲鳴を挙げる。

「ダァァァァァァァッ‼︎」
「ハァァァァァァァッ‼︎」

ガキィンッ‼︎

その音が鳴り響き、二人は鍔迫り合いへと縺れ込む。
少しでも相手の命を削ろうと、力を込めて押し込む。

「一つ、よろしいでありますか?」

その最中に、ラナが口を開いた。それは決して重々しくはない声音だったが、有無を言わさない威圧感を帯びていた。

「……なんだ。」

対してサテライザーは、重々しく、威圧感丸出しの声で聞き返した。
だがラナはいつもの口調で返す。その間も、拳を緩めることはなかった。

「私が勝ったら、カズトくんとのコンビを解消してもらうであります。」

横暴だ。理不尽だ。自分勝手だ。だが、受けるしかない。もう既にそれをしなければならない状況に乗せられてしまっているのだ。

「……いいだろう。ただし」

だからと言って、負ける気は全く無い。

「私が勝てば、これ以上私たちのことに口出しするな。」

今までで最も高密度の殺気を放ちながら、距離を取り一気に駆け出す。
だが、それを遮るように、ラナの蹴りが顔面目掛けて打ち出される。

「くっ‼︎」

鋭い一撃が頬を掠め、そこから血が垂れる。直撃していたらどうなっていたか。
だが、それだけでは終わらない。

「まだまだ行くであります‼︎」

さらに繰り出される蹴りをバックステップで躱し、弾き、いなしていく。
右に、左に、真後ろに。それでも、追い詰められているのは、こちらの方だ。
そして、遂にその拳がサテライザーを捉え、上空へと叩き上げる。
なんとか、ジャンプすることで衝撃を逃す。だが、それすらもラナの思い通りだ。いくら、サテライザーが高い戦闘能力を持っていても……………

「空中なら、避けられないでありましょう!」

空中にいるサテライザーの背後に回り、拳を振りかぶった。

「チィッ‼︎」

歯を食いしばり、ラナの姿を睨みつける。こうなってしまっては仕方がない。

『アレ』を使う。

空中で体制を整え、ノヴァブラットを中央に構える。その姿に、拳を振りかぶっいたラナの動きも一瞬止まった。

ー強烈な……殺気!

そう警戒した時には、もう遅く、サテライザーの姿が消えた。正確には、ラナの視覚に捉えられなくなったのだ。
そして、全く予期せぬ方向から打撃が繰り出された。

「カハッ!」

体を襲った衝撃に、血反吐を撒き散らす。今までの斬撃や打撃とは段違いの重みが生じ、思わず膝をつく。
だが攻撃はこれだけではない。
膝をついたことで、丁度いい高さになった左頬にサテライザーの加速した膝蹴りが叩き込まれ、立ち上がろうとしていた態勢がまた崩れる。

「加速…でありますか……!」

ハンドスプリングの要領で立ち上がり、サテライザーの姿を視認するが、それもすぐに消え、代わりに衝撃が襲ってくる。
これでわかった。今のサテライザーの攻撃は、認識した後では間に合わないと。
だとしたら仕方がない。こちらも全力で挑む。

ー聖門解放‼︎

身体中の力を背中にあるクンルンの涙、もとい聖痕に集める。そこから溢れ出すのは、青く、薄い三対の羽が、蛹から羽化するかのように開く。

それを見たサテライザーも、一瞬止まりそうになったが、構わず止めを刺そうとした。その時だ。

体を、不可視の衝撃が襲いアクセルを中断させられたのだ。
視線を伸ばした先には、三メートル程の距離を開けて、ラナがいた。
拳を振り抜いた格好で。

「こんなにも早く、私に聖門を開けさせるとは……」

ゆらりと立ち上がり、不敵な笑みを浮かべながらラナはサテライザーを睨む。

「貴方、やっぱり只者じゃないでありますね……」
「……一体、私に何をした。」
「なに、簡単な話でありますよ。」

ゴキリと指を鳴らし、体の異常個所を確認するように、今度は首を鳴らす。

「クンルンの涙に流れるエネルギーを外部へと回し、それを拳に乗せて打ち出す、我が聖門八極拳の遠距離攻撃。」

その名も、と続けながら、もう一度腰だめに拳を構えた。
そして、一気に……

「〈空牙〉というであります。」

サテライザーへと打ち出した。
その威力は絶大。近づこうとしても、止めの刃がいちいち弾かれる。
ノヴァブラットを横に構え、防御面積を広げるが、そんなものでは足りずに、またしても弾かれてしまう。

絶体絶命と言っても過言ではないこの状況で、サテライザーは高揚していた。

ーこの女になら、アレを使える‼︎




一方その頃、

「あれ?サテラさんいないのかな?もしかして寝てるとか?」

イレギュラーも、動き始めていた。 
 

 
後書き
次回には、ラナvsサテラを終わらせて、三年トリオを‼︎
ふと、カズトって、いてもいなくても変わらないのでは?と思い始めている自分がいる。 
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