我輩は逃亡者である
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第二章 世界からの逃亡者三人。
インフィニット・ストラトス
さあ、それじゃあ行こうか!
おはよう!こんにちは!こんばんわ!世界!
んでもって、またね地球!
▽▽▽▽
ああ、こいつはデカイ。でもって最高に面白いや。束先輩が本気でつくったのも理解できる。
「いやー、私も今回ばかりはかなり頑張ったんだよ?」
「ええ、これを見てそう思わない人は…まあ少なくともここにはいませんよ」
「はい束様が本気でつくったものだと…夢を追うために作り上げたんだと私達はそう思いますよ?」
「ハハハッ!ありがとうね、うん。コレを作り上げてよかったとようやく思えるよ」
「束先輩は遅いですね」
「速さが足りません」
「え、えーここは素直にそれならよかったですとか言ってよ…」
すみません、いつもの癖で。
――にしてもコレは壮観だ。束先輩が本気で作り上げた【宇宙船】は。
前に言っていた『夢』を叶えるんだろうなぁ…
「でも束先輩?なんで仕上げに暮桜のコアが必要だったんですか?」
「うん?いや私が宇宙にいくと私はもう地球で何処かの馬鹿がイラナイことをしても中々手出し出来ないからね。そんなときちーちゃんが自分の回りの人達だけでも助けれるようにしたかったんだ」
「ああ、では束様は暮桜を直されたのですか?」
「いやいや、そのまま直しても機体が耐えれないからね!第一世代暮桜改め……!」
「待って何か世代いってる時点で怖いんですが?」
「これくらいいつものことですよ、かーくんさん」
うん、まあそうだけど。何となく続く言葉もわかるし。妹に渡したものがアレでしょ?なら親友に渡すものだって……
「第四世代暮桜!」
「ですよね」
「もとい4.5世代暮桜!!」
「ちょ!?なんで0.5世代先いっちゃったんですか!?」
「かーくんさん甘いです、私は予想を越えられることまで予想してました」
「ふふん、暮桜のサードシフトに耐えるために世代を上げたんだけどちーちゃんが乗ること考えると不安だったからもうちょっと強化したんだ!」
あ、なんか理由聞いたら納得してしまう自分がいるのが悲しいよ。
それにしても現在最強の乗り手に天才のつくった最先端のISか…まあ何があっても身の回りの面倒ごとくらいは片手間で助けられるレベルだろう。
「ま、ちーちゃんが素直に受けとってくれるかがちょっと心配だけどね……」
「大丈夫ですよ、受け取らなくても無理矢理渡せばいいですし。IS宅配テロやりましょう」
「それに束様がどんな思いでつくったか言えばきっと受け取ってもらえます……いつものように誤魔化さなければ」
「……うん、うん!そうだね!たまには素直になってみるよ!」
「では行きましょ……宇宙船はどうやって出すのでしょうか?」
「束さんのポケットの拡張領域にしまってだよ?」
やっぱり便利すぎるぞ四次元袋…じゃあ行きますか、束先輩の夢の晴れ舞台へ!
▽▽▽▽
今IS学園では……いや、世界は驚愕に満ちていた。
ありとあらゆる画面に、急に空に現れたモニターにISの産みの親である束さんや逃亡中であるはず二人目の男性IS操縦者の上代翔、見知らぬ銀髪の娘が映っていたのだ。
『ハロハロー世界、みんな見えてるかな?特に箒ちゃんとちーちゃん、いっくんが見えてたら問題ナッシングだけど』
『いやそこは全員が見えるよう努力しましょうよ、諦めたらそこで終わりですよ』
『アッハッハ!それもそうだね!諦めなかったからここまで来たわけだし……まあきっと映ってるさ!……で箒ちゃん、ちーちゃん、いっくんは少し学園の外に来てほしいんだけど。お願いします』
ん……?なんかいつも通り無茶苦茶な束さんみたいだけど何処か違う……?
「なあ箒、束さんの様子が少し変じゃないか?」
「……ああ、そうだな。いつもの人を食ったような感じがないな」
「おい、織む……一夏、箒。あいつに会いに行くぞ、多分学園の外にいる。すまないが山田くん、ここは任せる」
「はいっ!任せてください!」
「では行こうか二人とも」
そう言った千冬姉に連れられ俺たちは学園の外へと向かった。
▽▽▽▽
ふぅ、世界中に放送されてると思うと流石に緊張するなぁ。
にしても束先輩心配なのはわかりますけど小声で来てくれるかなぁとか呟かないで。こっちまで心配になる。
「あっ、束様。来られました!」
「えっ!?ほんとに!」
「ここで嘘をつけるほどの勇気を私は持ってませんよ」
おお、ホントだ。三人とも来てくれたみたいだ……じゃ、束先輩渡そっかそれを。暮桜を。
「うん……ちーちゃん!渡したいものがあるんだよ!」
「断る」
「うわぁぁぁぁぁん!かーくん!」
「いや、あの……すみません織斑さん、今回は珍しく束先輩も真面目なんで聞いたげてくださいお願いします」
「なに、冗談だ。普段からかわれてばかりだからな。ついここだ!と思って反射的に言ってしまった」
「あ、この人束先輩の親友だわ」
「そうですね、これは間違いなく束様の親友です」
ここで敢えて空気を読まずにいくとか束先輩くらいしかいないと思ったが織斑千冬も同じであった……というか若干束先輩の因果応報だったが。
「では仕切り直して束先輩どうぞ」
「……うん、ちーちゃん。はいコレ」
「これは……暮桜か。お前が後ろにいる二人に盗っていかせたときにはナニに使うかと思っていたが……」
「機体を作り直したんだよ。暮桜はね、ちーちゃんがいっくんを助けよう……守りたいって気持ちに答えてサードシフトしようとして機体が耐えれなくなって動けなかっただけだから」
「それでお前が直してくれたのか?」
「うん、それだけじゃないんだ。これから私たちはちょっと遠出するからね。その間に何か起きたらちーちゃんが周りを守れるように……」
「そうか、そういうことなら受け取ろう……ありがとうな束」
「……うん!ふへへ……どーいたしまして!」
ふむ、無事渡せたようだ。よかったそろそろこの真面目な空気に耐えきれず向こうにいる織斑一夏と束先輩の妹を笑かすためナニかするとこだった……くーちゃんと一緒に。
「で、今度は何をやらかすつもりだ?ことの次第によってはこの暮桜を使ってでもとめるぞ?」
「ふふふ、私ね今度こそ夢を叶えるんだ。世界に認められなかった夢を、今度は世界に見せつけながら!」
「……ああ、そういうことか。ふっ、好きにしろ。どうせ箒などは伝えたいことがあって呼んだのだろう?」
「そーだよ。箒ちゃん!」
「は、はい!」
「えーと……まずは色々ごめんなさい、私のせいで箒ちゃんは苦労したと思うし謝ったところで私のことは許せないと思う。でも…いつか何で私が宇宙を夢見たか、ISをつくったか聞いてほしいな」
「……はい、そうですね。でも……なら早く宇宙から帰ってきてくださいね?それまでに私も心の整理を済まして聞く準備くらいしておきますから」
「うん!ありがとうね箒ちゃん!」
おー、姉妹の和解……にはまだ遠いかもしれないけどその一歩目だ。
しかし真面目な空気が終わらなかった、逝くしかないか?え、抑えろ。私も耐えてる?オーケー、何とか……
「いっくん!」
「はい!」
「爆発しろ!ラッキースケベの鈍感朴念仁ヤロウ!」
「えっ!?」
「あ……ついに耐えきれなくなりましたか」
「ちょ、かーくん!あと一人だったんだから耐えようよ!」
すみません、言いたかったこともあってつい。ほら束先輩、織斑くんが呆けてます。早く言いましょうよ?
「かーくんのせいだよ……はぁ、いっくん!いっくんは守りたいものがあるんだよね?ならそれに向けて頑張って。ちーちゃんの弟なんだ、それくらい軽い軽い。あと周りの娘をよく見ようか?」
「はいっ!……え?周りの子?」
うん、絶対伝わってないぞ。俺の周りに子供はいないけどなぁ?とか言ってるし。
「ま、そんなとこかな!二人は何かある?」
「腹減りました」
「ワールド・パージの応用で世界に映してるので疲れました、ご飯食べたいですね」
「そういうことじゃないよ!?」
「まあ今生の別れでもないでしょうし特に何もないですよ」
「私もです」
「そっか……じゃあちーちゃん後は任せたよ!」
「ああ…なあ束、今の世界は楽しいか!?」
「うん!最ッ高だね!」
「じゃあ夢を叶えてこい!」
それじゃあ
「「「バイバイ世界!またね地球!」」」
ああ、俺たちは俺たちの自由のために宇宙へいく!
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