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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二十八話 豪新戦その三

「凄いなんてものじゃないよ」
「天才的といいますか」
「平仮名と片仮名、それに漢字があるから」
「三つの文字があるから」
「こうした表現が出来るんだね」 
 僕はしみじみとして思った。
「これは勉強になるよ」
「義和さんにしても」
「本当に思うよ」
「それでニュージーランド、私の国は」
「この漢字なんだよ」 
 僕はその新西蘭という文字を指し示した、そしてさらにこうも書いた。
「あとこう書くと」
「濠太剌利ですか」
「オーストラリアだよ」
「エリザさんのお国ですね」
「そうだよ」
 このことを話しているとだ、ここで。
 僕達のところにそのエリザさんが来た、エリザさんはすぐに僕達に対してこんなことを言って来た。
「何のお話をしてるの」
「はい、漢字の使い方をです」
「それをなの」
「ジョーンさんとお話していました」
「漢字の使い方は独特」
 エリザさんもこう言った。
「最初苦労した」
「私もです」
 ジョーンさんはエリザさんにも話した。
「そのことは」
「そうよね」
「かなり慣れましたが」
「私は今も」
 そうだというのだ。
「結構」
「その慣れるまでがですよね」
「大変過ぎる」
 エリザさんの言葉は簡潔だけれどかなり本音が伝わった。
「日本語本当に難しい」
「英語の方が楽ですよね」
「ずっと」
「はい、何でこんな言語があるのかって」
「不思議に思った」
「よく言われることだね」
 僕も二人にこう言った。
「そのことは」
「そうですよね、日本の方も」
「そう言われない方が不思議」 
 ジョーンさんとエリザさんもこう言う。
「いや、本当にですよ」
「日本語はとても難しい」
「平仮名に片仮名、漢字にですから」
「読み方も難しい」
「本当に何かと」
「苦労してきている」 
 僕達にこう話す、そしてだった。
 そうした話をしてだった、二人は僕にこんなことも言って来た。
「それと今度です」
「ラグビーの試合があるけれど」
「あれっ、花園はまだまだ先だよ」 
 僕はラグビーと聞いてまずあの場所を思い出した。
「冬だから」
「いえ、日本のものではなく」
「こちらの試合」
「こちら?」
「はい、我が国とオーストラリアのです」
「その試合」
 二人がここで言うラグビーの試合はこの試合のことだった。
「今度中継されまして」
「それを観るつもり」
「私かエリザさんどちらかのお部屋で」
「是非」
「ああ、そっちのラグビーなんだ」
 僕はその話を聞いて頷いて言った。 
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