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償い(逆行物)

作者:
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日常生活?【2】

ー翌日 教室前
「スゥーハァ」大きく深呼吸する。
[ガラガラ]
「お、おはよう」勇気を出して挨拶してみる。皆の反応は…

「おはようマヤ♪」最初に返事をしてくれたのは、ナゴミだ。
他の皆も挨拶してくれた。変に気遣った感じはない。横を振り向くとサラがニコニコと笑っていた。
(サラの言う通りだった。)
「マヤ、昨日の噂少し聞いたんだけどスゴかったらいしね!」
「えっ、あぁうん」
「さっすが!体育の成績No.1ね!」
(はぃ?)確かに前世でも体を動かす事は、嫌いじゃなかったが、そこまで得意じゃなかった。成績だって上の方だったけど、一番ではなかったはず…
「この前は、チカンの連続犯捕まえて今回は、引ったくり犯を捕まえたんでしょ?」将来女性警察にでもなるつもり?と冗談ぽく、話すナゴミ。
ちょっと待って。私はチカンされた事はあるけど、(そのせいで潔癖症になった)犯人を捕まえたことなんてない。
(私の過去が変わっている?まさかっ!)もう一度サラの方を向く。サラはさっきと同じ様にニコニコしている。

「…ャ、マヤ!」
「は、はい!」
「大丈夫?どかしたの?」心配そうに私を見るナゴミ。
「ううん。なんでもない」いけない。ついぼーとしていた。でもきっと私の過去が変わったのはサラのおかげだろう。後でお礼を言わなくちゃ。
「H.R始めるから席につけー」先生が入ってきたので急いで席につく。
「よし!じゃあ今日の予定を伝えるぞー」
私は、すっきりとした気持ちで今日をスタートできた。



ー昼休み
ピンポンパンポーン♪
『1年B組伊吹マヤさん職員室まで来てください』
ナゴミやサラと屋上でお弁当を食べていると、校内放送で呼び出された。
「姉さん、何かしたの」
「うーん、昨日の事じゃないかなー」今思い当たるのは昨日の事件ぐらいだ。
「マヤ、急いだ方がいいんじゃない?」
「そうね、じゃぁ行ってくる。サラかたずけお願い」
「唐揚げくれるのなら」
「あげるわ」本当にお肉好きだなー。昔先p…赤木さんに、レイは肉嫌いて聞いたことあったけど…
ちなみに、赤木さんて呼ぶ様にしているのもサラに言われたからだ。



ー職員室
「失礼します。1年B組の伊吹マヤです」すると、教頭先生が、
「マヤさん、貴女に手紙が届いてるの」そう言い封筒を差し出す。封筒の隅に[清水]とかいてあった。
「清水さん…ですか?」
「えぇ。仕事で直接会えないからせめて、手紙を渡しておきたいと昨日の晩持ってきてくださったの」
「やっぱり昨日の事ですよね…」
「新聞にも小さくだけど載っていたわよ。連続引ったくり犯を女子中学生が逮捕!てね」別に気絶させただけで、捕まえてないんだけどな~。

『キーンコーンカーンコーン♪キーンコーンカーンコーン♪』
「あっ!急がないと」
「でも、廊下は、走っては駄目ですよ?」クスクスと笑う先生。
「はーい、失礼しました」まずい、完全に遅刻だ。


「遅れてすみません」教室の後ろから入る。
「話は聞いている。職員室に行っていたんだろ?早く席に着きなさい」
「はい」よかった。遅刻で成績下がるのだけはごめんだ。
(今はもう、成績なんて関係ないのに癖になっちゃったな~)前世は、高校の推薦を狙っていたから、忘れ物や授業態度で減点されないように、気を付けていた。
(そのお陰で推薦は通ったけどね)



ー帰り道
「姉さん、職員室に行ったのて、やづぱり昨日の事で?」
「うん。あとサラ、私の過去を変えておいてくれたのってサラでしょ?」
「いいえ。違うわ」
「え?サラじゃないなら誰が…」
「きっと、もう一人の神(作者)だと思うわ。私に過去を変える力が有るならわざわざ逆行なんてしないわよ」
確かに、過去を変えることができるのなら時間を掛けて直すより速いし楽だろう。
「じゃぁ、サラよりその神様の方がすごいの?」
「ええ。私達が戻ってこられるのも、その神(作者)のおかげなんだから」
「人類の母、リリスと同じ存在のサラを越す神って一体…」
「正確には、リリスやアダムを生んだ創造神(庵○氏)とおなじ種族の神様よ」神の如くリリスやアダムの生みの親。どんな神なのだろう。
「うーん。私はあまり分からないけど、そんな神様がいるなら平和な世界もあるの?」
「きっとあると思うわ」
そこで、会話は終わった。




ー自宅

「さぁーて、手紙も読み終わったし、そろそろ寝よっ」
「手紙?なんの」そう言えばまだサラに言ってなかった。
「ん?あぁ昨日のお礼だって」
手紙には、何度もお礼の言葉が書いてあり、なんでも取られた鞄の中にはパスポートや保健書、ケータイなど大切な物が入っていたらしい。
「今更だけど人助けって良いものなのね」
「でも、NERVで働く事も人助けじゃない?」確かにNERVの目的の一つは、使徒から全人類をまもること、でも最終の目的はサード・インパクトを起こす事だった。チルドレンの…子供の心を使って。
「子供を犠牲にしてまで人助けしても誰も、良い気分にならないわよ」
「…」
「ごめんね、[レイ]」私は、わざとレイと呼んだ。
「私はサラよ」
「そうね。おやすみ、サラ(ニコッ」
「…おやすみ、姉さん(ニコッ」



その晩からサラがすこし変わった。何と言うか遠慮が前より無くなった。
嫌いな野菜があると、端に寄せたり、残すようになった(無理にでも食べさせるけど)。
学校でも、冗談を言ったり堂々と授業中に寝たり子供っぽくなった気がする。まぁ、私が大人びてる(精神年齢24歳)だけで年相応な行動だけど。
えっテスト?私はもちろんオール100…だと怪しまれるから、前世の得意科目は100点取ってあとは、98点とか一問間違いを狙っている。サラは理科や国語などの暗記系は100点だけど数学は、全力で89点ぐらい、紅い海で知った知識はあるけど、それを利用するのが苦手らしい。経験の差かな?
成績は私はオール5でサラは、態度が少し悪いので4があるが、その他は私とあまり変わらない。
うーん。この他にあった出来事は…
あっそうそう、この前また引ったくり犯を捕まえた。地域の人達からは、地域パトロールをしてくれってしつこく頼まれた。もちろん断ったけど。

こうして1年半の月日が流れた。





ー学校
[ザワザワ]
「ねぇ、今日進路相談だけどマヤとサラはどこの学校受けるんだっけ?二人とも同じ所でしょ?」
「うん。私達は、第2中央高を受けるつもりよ。私は推薦だけど。サラと同じ方が色々楽だしね」第2中央高とは、『第2新東京市中央高等学校』の略だ。
「都内1難関の所だよね?そんな所から推薦されるなんてすごい!」まるで自分が推薦されたかの様にはしゃぐナゴミ。
「ありがとうナゴミ。」
「次、姉さんの番よ」サラが戻って来た。進路相談は名簿順だ。一人大体5分位。
「あっ、じゃあ行ってくる」
「行ってらっしゃ~い」ナゴミは陽気だな~前世じゃ受験前かなり焦ってたのに。


ー学習室
[ガラガラ]
「失礼します」
「そこに座って」そう言われいすに座る。

「確か貴女の希望校は、サラさんと同じ第2中央高だったわね」
「はい。二人一緒の方が都合がいいので」
「そうね、貴女は推薦だったわね…でも、“これ”も考えてみて」そう言って先生は白い封筒を差し出した。
「あの、これは?」外側には何も書かれていない。
「いいから、読んでみて」
「えっ此処でですか?」
「ええ」
「それじゃあ」セロハンでとめてある所を破って中身を取り出す。パッと見たところそこまで長くないようだ。

えーなになに…
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……………
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……





「!?…うっそぉー!」
「本当のことよ♪」先生はこの手紙の内容を知ってるみたいだ。
「えっ!でも先生!これ推薦、しかも『第2東大』じゃあないですか!私今中学生ですよ!日本は、飛び級禁止じゃでないですか!?」そう、手紙に書いてあった内容は簡単に言えば、第2東大…『第2新東京大学』に入学しないか、という誘いだった。今までに何校かから誘いはあったが大学、しかも東大からくるなんて思わなかった。
「貴女、自分では気づいてないかも知れないけどここらじゃ、かなり噂されてるのよ?それに、この御時世飛び級云々言ってられないそうよ」
「そんな…でも、第一私大学の授業なんて全然分かりません!」
「ん?でもこの前解いて貰った東大の過去問あなた殆ど満点だったじゃない。サラさんは、解けない問題が多かったけど」
は?高校の過去問なら学校で貰ったのをいくつかやったことあるけど、東大の過去問なんて記憶にない…まさか!
「えっまさか、私とサラだけ放課後残ってやった過去問ですか?」
この前の放課後、何故か私とサラがやらされた問題があった。今思えば普通あの時気づくはづだった。高校の過去問と大学の過去問の差を気づかないなんて…しかもサラは殆手がが止まっていたっけ。

「えぇ。そうだけど、まさか何の問題か気づかなかったの?」
「うっ…」
「それはそれで凄いわね。」先生は苦笑している。

「まぁ、この事は考えておいて。別に絶対東大行かなきゃならない訳じゃないんだから。あっ、でも2週間以内には答えを聞かせて」
「はぃ、分かりましたぁ…失礼しました」[ガラガラ]
確かに推薦なんだから強制じゃ無いし蹴って高校に入る事も出来る(てか、それが普通)。


「はぁ~」
「どうしたの?姉さん」
「マヤ、貴女がため息つくなんて珍しいわね。何かあったの?」教室に戻るとサラとナゴミが声をかけてきた。
「実は、………」私は、二人に推薦の話をした。


「え!?推薦?しかも第2東d(パシッ)」思いっきりバラそうとしたナゴミの口を慌てて手で塞ぐ。
「……ぷはっ急になにすんのよー」ジト目で睨むナゴミ。少し力を入れすぎたかな?
「ごめんごめん。でも、皆に知られたく無かったから」前世でも今でも、人に注目されるのは、苦手だ。
「こっちこそ悪かったわ」ナゴミは、私の性格を分かってくれている。
「でも、姉さん何があったのよ」今まで黙っていたサラが聞いてくる。顔は真剣だ。私の未来に関わる事だから無理もないけど。
「ちょと、ね」今は、ナゴミやクラスの皆もいるのであまり詳しく言えない。サラも私の意図が分かったのか、それ以上聞いてこなかった。




ー帰り道
「じゃあまた明日!マヤ推薦受けるなら応援するから」
「ありがとう。ナゴミ」
「もちろん、サラも頑張って」
「期待に答えられる様、頑張るわ」
そうして、ナゴミと別れる。
「姉さん、あの事だけど…」
「家に着いたらちゃんと話すから」
そこで会話は途切れた。



ー自宅
「じゃあ話して貰おうかしら(^-^#)」顔は笑っているけどこめかみに青筋が…
「わ、分かったから怒らないでよ」
「なら速く(^-^#)」
「…はい」


「この前、私達だけ放課後に過去問やったわよね」
「えぇ。明らかに中学生レベルじゃなかったやつね…って!まさか!?」
「うん、ぼーとしてて殆ど解いちゃった」
「…バカなの?それともボケたの?大学の問題を高校の問題と間違えるなんて」
「失礼な!自分で言うのもあれだけど、頭には自信があるわ」
あの問題はお馬鹿さんじゃ解けない。
「『バカと天才は紙一重』て、言葉知ってる?」
「うっ」
サラは、私がその間の紙と言いたいのだろう
「これで、姉さんの未来は大きく変わるかも知れないのよ?下手したらNERVに入れなくなるわ」
「それは…でも、推薦を蹴れば問題無いじゃない」推薦なのだから、別に蹴って前世と同じく時を進めていけばいい。
「もちろんよ。……あっでも」サラが何やら考え事を始めた。
「どうしたの?」
「今は、2005年で再来年は、2007年…あの人達は、30と考えて22うーんギリギリね、でも赤木博士は、23まで大学に出入りしてたって聞いたから…」
「えっと、サラ?」
「姉さん、大学の推薦受けて」
「へ?」さっきまで推薦は、蹴ってと言っていたのに?
「再来年までに、大学へ行けば赤木h…さんに接触できるかもしれない上手くいけば、葛城さんにも」
「!そうか。二人に会っとけば、NERVに就職したときなにかと動きやすくなるかも…」
「えぇ。でも、初対面で怪しまれたらおしまいよ。特に赤木さん」
「せ、赤木さんは、鋭いからね」
警戒するのは赤木さんだけではない。葛城さんもこういった場合は勘が良い。
「だから、今から演技を考えないと」
「うーん。あっ私に良い考えがあるわ」



私が考えたシナリオは、
1.私がセカンド・インパクトについて調べており、一般の公開情報を信じていない事。理由は、父が南極の調査隊で実家に置いてあった資料と公開されている情報が微妙に異なっていたから。
2.怪しまれない程度に二人の情報を手に入れる。(性格が変わってるかもしれないので)
3.二人と仲を深める。(赤木さんの事を先輩と呼べるぐらい)【1番重要!】

「今は、このくらいかしら」
「さすが。よくこんなシナリオを」サラも賛成のようだ。
「でも、問題は1番なのよ。実家にあった資料と言っても実家はセカンド・インパクトで無くなったし」

前世、私は愛知県の海岸付近の町に住んでいた。父は出張で殆ど家に居なかったし母と暮らしていた。セカンド・インパクトが起こった時私は、友達と近くの丘で遊んでいた。そのときは、まだ小学3年生だったのでゲームより外で遊ぶ事の方が多かった。しかも、その丘からは、町と海の景色を見ることがとが出来た。特に夕方は絶景だった。
あの日も、いつもの様に景色を見るため何人かの友達と丘に行った。日がくれてきたので家に帰ろうとしたその時、
ずっと、遠くに虹色の輪が見えた。辺りが少し暗くなった。すると、急に大きな揺れが襲ってきた。木が何本か倒れ、皆で身を寄せ合い揺れが収まるのを待った。かなり長い時間揺れてたと思う。やっと揺れが立てるくらい弱くなり安心した次の瞬間、『ザァァァァァーー』アニメや映画でしか見たことの無いとても大きな津波が押し寄せてきた。津波は、堤防を軽々と越え町を襲った。よく遊ぶ公園や自分達の学校、そして母が居るであろう家、何もかも流された。
私達のいた丘も3分の2が沈んでいた。何個かの山を越え人のいる場所まで歩いた。2日近く歩いたと思う。そこで孤児院に入れられた。その2ヵ月後、親戚に預けられた。町が津波に呑み込まれてから孤児院に入るまで何故か私は泣かなかったことを覚えている。
サラに聞くと、父の出張先が東京か南極かの違いで他は同じだったらしい。


「資料ならあるわ」サラは、そう言って何枚かの紙を持ってきた。
「これは?」
「調査隊の実験資料の一部よ」そこには、そこまで詳しくないが、正規の資料だった。
「どうして、こんなものが…」こんな資料は全て処分されているため新たに手に入れる事は不可能なはず。
「私の能力よ」
「え?」
「私の今使える力、それは過去に存在した物を再生する能力」
「それって、サラが想像した物が出てくるの?」しかし、サラは首を横に振った。
「物質、つまり命があるものは再生できないわ。しかもこの力を使える回数は決まっているの」
「それって何回ぐらいなの?」
「一回」
「…」一回ってもう使ったじゃん。
「生憎、セカンド・インパクトの資料は殆ど存在になかったからこれで全部よ」
数枚の資料のために、一回きりの切り札をつかったのか…。
「実家は沈んでいるのよ?どうやって誤魔化すのよ」
「父の実家に置いてあったとでも言っておけばいいわ」父の実家、祖父母の家は今年に入ってすぐ取り壊された。二人はすでに他界してるし家の中は空だったのだから仕方ないが。
「なら、これで問題は無くなったのよね」
「余程の事が無い限りは」
「ならこのシナリオは進められるから、結果オーライね」
「後は姉さん次第よ。この前の過去問みたいにドジ踏まなければ」
「今回は命が関わるかも知れないから失敗はしないわよっ」
「当たり前よ。私の命も関係してくるんだから」心配してるのは自分の命なんだ…

「未来は姉さんに掛かっていると言っても過言じゃないわ」
「分かってる」NERVに入れなかったら、この世界の破滅は免れないだう。
「大学を出たら私もNERVに入社するつもりだからそれまで頑張って」
「うん。サラもね」



「うーん。推薦の話しは、明日先生に言ってみよう。(びっくりするだろうな~)」
きっと先生は私が推薦を蹴ると思っているだろう。それにちゃんと高校を卒業してほしいはずだ。先生は高校に通えなかったらしいから皆には、ちゃんと行ってほしいと前に言っていた。
先生の気持ちを裏切るのは、心が痛むがしかたない…



こうして長い1日が終わった。
 
 

 
後書き
6000文字突破~!?い、いつのまに…
気づいたらこんな文字数になってました。他にも加えたい話はあったのですが、そのも入れると1万越しちゃいそうなので切りました。長いと逆に読みにくいですもんね。

あと自分で書いてて思ったのですが、最後らへんの会話がミサトとリツコの会話みたいになってました。(マヤ=ミサト、
サラ=リツコ)。

ここからは、マヤ中心に話が進みます。(マヤが主人公なので)
さーて、この次もサービスサービスゥー!   …出来るかな?


 
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