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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二十七話 日本の花その十三

「甘くしかもお口の感触もよく温かく」
「ふうん、そうなの」
「あれ程美味しいお菓子は少ないです」
「そこまで美味しいのね」
「ですから」
 それで、とだ。小夜子さんはイタワッチさんにかなり真剣に話した。
「いいです」
「そう、それじゃあ」
「召し上がりましょう」
「じゃあ今からたい焼き屋さんのところに行って」
 僕は皆にこうも言った。
「食べに行こう」
「それで何処にあるの?そのたい焼き屋さん」
 イタワッチさんは僕にも尋ねて来た。
「一体」
「僕についてきてくれるかな」
 これが僕の返事だった。
「そうしてくれるかな」
「それじゃあ」
「こっちだよ」 
 僕はお店の方に足を向けてこう言った。
「ついて来て」
「それじゃあね」
 こうして僕は皆をたい焼き屋さんにも案内した、そしてお店のところに来ると。
 お店のおじさんが笑顔で僕にこう言ってくれた。
「それじゃあね」
「はい、じゃあ今から」
「焼くからね」
「今何個ありますか?」
「十個ずつ位あるよ」
 それぞれの種類で、というのだ。
「それをまずは、かな」
「はい、お願いします」
「それじゃあな」
「皆、まずは出来てるの食べて」
 僕は皆にこう言った。
「それで出来たのをね」
「その都度食べていく」
「そうすればいいのね」
「うん、もうお金も払ってもらってるから」
 畑中さんにその辺りはしてもらった。
「だからね」
「私達は遠慮なく」
「食べてそして」
「そのうえで」
「皆で」
「楽しんでね」
 こう皆にお話してだった、そうしてだった。
 皆にそのたい焼きを食べてもらった。そのたい焼きを食べてだ。まずはジューンさんが唸った顔でこんなことを言った。
「粒餡ネ」
「どうかな」
「いや、粒餡ははじめてだけれド」
 言われたことと似ていると思った、やっぱり粒餡は他の国の人には案外抵抗があるか縁がないものらしい。
「いけるネ」
「それは何よりだよ」
「いや、美味しいあるよ」
 水蓮さんは粒餡自体には抵抗がない感じだった。二人共粒餡のたい焼きを食べつつそのうえで言っている。
「これが日本のたい焼きあるか」
「いい感じヨ」
「中国にも小麦を焼いたお菓子があるあるが」
「クレープとはまた違うネ」
「外見も可愛いあるし」
「いいお菓子ヨ」
 こうお話しながら二人も食べてくれた、そして。
 エリザさんはカスタードの鯛焼きを食べつつだ、こんなことを言った。
「最高」
「そこまで気に入ってくれたんですか」
「うん」
 もぐもぐとしながらの言葉だった。
「これは凄い」
「何か随分と」
「オーストラリアにはない味」
「あれっ、オーストラリアも最近は」
 僕はエリザさんのオーストラリアにたい焼きはないという言葉にすぐに突っ込みを入れた。その突っ込みはというと。 
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