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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二十七話 日本の花その十一

「沖縄では」
「あれが結構美味しいのよ」
「そうらしいですね」
「沖縄にいた時は食べてたわ」
「揚げたりするのでしたね」
「そうなのよ」
 留美さんにも笑顔で話していた。
「お勧めよ、沖縄料理の中でも」
「そうなのですね」
「沖縄料理は他にどんなのがあるの?」
 ニキータさんは青の紫陽花も見ていた、そこから藍色、青紫、紫、赤紫、ピンク、赤のそれぞれの色の紫陽花達もだ。
「蝉の他には」
「そーきそばにゴーヤチャンプル、足てびち、ミミガーにラフテー、それと足てびちね」
「色々あるのね」
「どれもお勧めよ」
「そうなのね」
「今度小野さんにお話してね」
 それで、というのだ。
「作ってもらうか私が作るから」
「沖縄料理を」
「うん、特に豚肉料理好きだから」
 作られるとだ、日菜子さんはニキータさんに笑顔で話していた。
「その時はね」
「楽しまさせてもらうわね」
 ニキータさんも笑顔で応える、そして。
 紫陽花を観続けつつだ、今度は僕に言って来た。
「一つのお花なのに色々な色になるのよね、紫陽花って」
「そうだよ」
「不思議な花ね」 
 こうも言うのだった。
「とても」
「そう思うよね」
「うん、雨上がりだし」
 このこともだ、ニキータさんは言った。
「水滴が残ってるけれどその水滴がね」
「紫陽花に似合ってるよね」
「不思議な位にね」
「紫陽花は梅雨のお花って言ったけれど」
「梅雨のお花だからこそ」
「雨上がり、水滴が最高に似合うんだ」
 僕もその紫陽花達を観つつ話した。
「こうしてね」
「そうなのね」
「うん、それにね」
「それになのね」
「雨の中でもね」 
 この紫陽花達はとだ、ニキータさんに話した。
「凄く似合うんだ」
「本当に梅雨のお花なのね」
「まさに六月のお花だよ」
「日本の」
「そう、日本の梅雨のお花なんだ」
「そういえば」
 ここまで聞いてだ、ニキータさんは周りを見回してだった。それからこんなことも言った。
「ここって」
「うん、神社の中だけれど」
「日本よね」
 まさにそうした場所だとだ、ニキータさんは言うのだった。
「神社の中で」
「趣がっていうんだね」
「うん」 
 微笑んでだ、ニキータさんは言うのだった。
「まさに日本ね」
「この神社ですが」 
 神社の娘さんの円香さんの言葉だ。
「非常に格式のある神社ですの」
「そうなの」
「はい、千年以上の歴史がある」
「千年って凄いじゃない」
「関西でも屈指の神社ですの」
「へえ、そうなのね」
「四季で様々な行事が行われていまして」
 円香さんはニキータさんにこのことも話した。
「人も社も多い場所ですの」
「広いしね」
「はい、観光地でもあります」
 この八条町ひいては神戸のだ。
「中にはお寺もありますし」
「お寺?」
「仏教の」
 所謂神宮寺だ、神道の場所に仏教も存在している。日本ならではの非常に面白いことだと思う。 
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