歌集「春雪花」
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21
永遠の
無きにし今を
君と共に
過ごせぬ我は
侘びしたりける
永遠のないこの世にあって、今という刹那を彼と共に過ごすことも叶わない…。
愛も得られない…時も過ごせない…そんな私に意味なぞない。
ただただ…侘しいばかりの毎日だ…。
われ思う
心もなきや
沈丁花
香りし君ぞ
たれを想うや
不意に沈丁花の香りが鼻を擽る。そんな春の香りに、君への想いが溢れだした。
君は…誰かを想っているのだろうか?私のことは想ってはくれないのだろうか…?
そんな風にさせた憎い沈丁花…お前には私を思う心はないのだろう。彼と同じように…。
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