歌集「春雪花」
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生まれきて
禍となりし
者もあり
常飽くる者は
幸いとぞ思ふ
生まれながらに、私の様に良くない人間もいる。それなのに、当たり前に普通を享受する人はそれに満足しない…。
普通に飽々出来ると言うことは…それだけで充分幸せだと思う…。
心なく
喉けき今日の
あらざりて
櫻も咲かぬ
春の宵闇
虚しさに喘ぐ私には、喉かに過ごす今日なんてものはない。彼のことばかり考え続けて、いつも苛立ったり悲しんだり…。
寒さ残る春の宵闇に、ふと見れば未だ桜は堅い蕾のまま…。
彼がいなければ…桜も色褪せるだろう…。
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