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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二十六話 バーベキューその五

「結構残っていたね」
「やっぱりそう考えたら」
「一種類に絞った方がいいね」
「飲む時はね」
「じゃあ。赤か白か」
「どっちかにするのね」
「それかね」 
 ここでふと思い出した、ワインは赤と白だけじゃない。その他にもう一種類あるのがワインのいいところだ。
「ロゼかな」
「ロゼね」
「うん、あれにしようかな」
「赤と白の中間で」
「そうしようかな」
 こう詩織さんに言った。
「ここは」
「それもいいわね」
 詩織さんは僕の考えに微笑んで答えた。
「赤と白、どっちかにしないといけないけれど」
「白ワインは魚介類に合って赤ワインは肉料理で合って」
「そう、だからね」 
 それで、というのだ。
「ロゼにするのね」
「赤と白、どっちかなら」
「間ね、それもいいわね」
「実際ロゼなら両方に合うしね」
「ええ、いけるわね」
「じゃあそうするよ」
 僕は強い声でだ、詩織さんに言った。
「今日はロゼ飲むよ」
「そういうことね」
「ビールでもいいけれど」
「大家君ビールは」
「飲むけれど」
 それでもだった。
「日本酒やワインの方が好きだよ」
「そうよね」
「ビールは美味しいけれど」
「それでもそちらの方が好きで」
「あと。痛風だね」
 この病気のことも気になっていた。
「僕達まだ若いけれど」
「痛風怖いのね」
「凄く痛いっていうから」
 そう聞いているからだ、だからビールはなのだ。
「足の親指の付け根がね」
「万力で押し潰されるみたいな」
「そんな痛さらしいね」
「だからなのね」
「うん、気をつけてるんだ」
 十代で痛風になるとか聞いたことないけれどそれでのなのだ。
「それ言ったら日本酒もだけれどね」
「日本酒は日本酒で糖分多いのよね」
「お米から造るからね」
 日本らしいと思う、お米からお酒を造ることは。けれどお米で造るからこそ糖分が多くてそれで危なくなることがあるのだ。
「どうしてもね」
「糖分が多くて」
「飲み過ぎるとね」
「糖尿病になるとか」
「あるよね」
 こう詩織さんに言った。
「実際に」
「じゃあ日本酒も」
「そうした意味だとね」
「よくないわよね」
「そうなるね」
「まあそうしたことを言ってると」
 本当にそれこそだ。
「きりがないよね」
「アルコール自体がね」
「うん、飲み過ぎると身体によくないから」
「そういうことを言ってると飲めなくなるわ」
 詩織さんは眉を曇らせて言った。
「お酒自体がね」
「そうなるよね」
「まして義和君お酒好きだし」
「実は大好きなんだ」
 何を隠そうだ、多分これは親父の血だ。
「あれがあるとね」
「それでよね」
「幸せになれる位だよ」
「お酒飲むと幸せな気持ちになれるけれど」
「飲むだけでなんだ」
 本当にだ。 
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