八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二十六話 バーベキューその四
「紅白よね」
「あっ、そうだね」
「お腹の中でそうなるかも」
「あはは、そうなると面白いよね」
「そうだね、けれど赤と白をどちらも飲むと」
「あまりよくないかな」
「そうかもね」
ちゃんぽんになるからだ、お酒を一度に何種類も飲むことは悪酔いの元だ。
「それは」
「飲むのならね」
「その時で一種類だね」
「そう決めて飲んだ方がいいかもね」
「爆弾酒だったかな」
ここで僕は聞いたことがあるお話を思い出した。
「何処かの軍隊で飲んでいるお酒だけれど」
「自衛隊?」
「あっ、自衛隊じゃないよ」
厳密に言うと自衛隊は軍隊じゃないけれどここではその中に入っていた。この学園は八条グループ自体がそうだけれど自衛隊と縁が深い。
「他の国の軍隊でね」
「その爆弾酒飲んでるの」
「そうみたいだよ」
「その爆弾酒ってどんなのなの?」
「ええと、ビールの大ジョッキの中に」
まさにその中になのだ。
「コップに一杯入れたウイスキーをコップごとね」
「そのジョッキの中に入れるの」
「そう、それで飲むんだよ」
「それが爆弾酒なのね」
「何か凄く酔うらしいよ」
飲めばそれでだ。
「ビールとウイスキーが混ざってるから」
「まさにちゃんぽんになってるから」
「そうらしいよ」
「そうしたお酒のことを聞いても」
「そうだよね、一度にお酒を何種類も飲むことは」
「よくないね」
「悪酔いするからね」
まさにそれで、だ。お酒を飲むこと自体はいいけれど一度に何種類も飲むと悪酔いして身体によくない。
だからだ、僕も今ここで言うのだ。
「止めた方がいいね」
「ワインでもね」
「白か赤かでね」
「統一した方がいいわね」
「そういえば僕前ね」
ここで僕は自分のことを思い出した。
「まだ親父と一緒に住んでいた時だけれど」
「その時になの」
「親父が夜にいきなりさ」
「お酒飲むかって言ってきたの?」
「いや、お風呂から上がったらいきなり一緒に居酒屋行くかだったんだよ」
いきなりこう言って来た、それで僕は親父に駅前の居酒屋に連れて行かれた。店はカラオケショップの上の階段にある白鯨というお店だ。
「それで魚介類だけじゃなくて牛肉のサイコロステーキとかスペアリブも食べたけれど」
「魚介類は白ワインよね」
「それでサイコロステーキとかはね」
肉料理を食べる時はというと。
「赤ワインにしたんだ」
「二種類のワインね」
「一度に飲んだけれど」
「その後が、なのね」
「朝起きたら結構残ってたよ」
酒がだ、頭が痛くなる程じゃなかったけれどそれなりに残っていた。
「そうなっていたよ」
「どれだけ飲んだの?」
詩織さんは棒に飲んだ量も聞いてきた。
「そっちは」
「うん、ワイン一本半かな」
「義和君だと普通?」
「そうだよね」
「赤だけ、白だけだったら残らなかったわよね」
「けれど二種類だったら」
それでだったのだ、僕は。
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