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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二十六話 バーベキューその三

「魚介類も好きよね」
「うん、大好きだよ」
「いつもよく食べてるから」
「お魚も海老も貝も蟹も好きだよ」
 それこそ海の幸だと何でもだ。
「烏賊、蛸、蝦蛄に海鼠にね」
「本当に何でもよね」
「お刺身にしても天麩羅にしても」
 その調理方法もというのだ。
「中華もイタリアもね」
「フランス料理でもよね」
「ブイヤベースなんかも」
 フランス料理の定番の一つのこのスープもだ、僕は。
「大好きだよ」
「あれ美味しいわよね」
「シーフードカレーも好きだから」
「本当に魚介類好きなのね」
「子供の頃からそうなんだ、お酒を飲む時も」
 高校に入ってからその味を覚えたけれどこの時もだ。
「焼き魚とか一緒に食べてるし」
「ホッケとかで」
「うん、塩鮭もいいよね」
「魚介類って美味しいだけじゃなくて身体にもいいのよね」
「血を奇麗にしてくれるんだよね」
「そう、お母さんもよくそう言ってね」
 詩織さんが誰よりも愛しているその人もというのだ。
「私に鰯とか秋刀魚とかね」
「そうしたお魚をなんだ」
「一杯食べさせてくれたわ」
「鰯か、いいね」
 鰯と聞いてだ、僕は思わずこう言った。
「あのお魚も」
「鰯も好きなのね」
「勿論だよ」
 お魚なら何でもだからだ、この魚もなのだ。
「オイルサーディンにしたりとかね」
「いい食べ方ね」
「オリーブで煮たりとか」
 実は魚介類にオリーブも大好きだ。
「そうしてね」
「食べてるのね」
「そうなんだ、けれどやっぱり一番は」
 お魚の食べ方はだ。
「あれだね、お刺身と天麩羅だね」
「その二つね」
「どっちも最高だよね」
「そうね、お刺身もいいけれど」
「天麩羅もだよね」
「どっちも凄く美味しいわよね」
「御飯のおかずにもお酒のあてにもね」
 そのどちらにもだ、この二つは。
「凄くいいと思うよ」
「何か義和君って渋い趣味もあるのね」
「お刺身とか天麩羅が好きなことが」
「ええ、それで飲むのよね」
「そうだよ」
「それがね」
「渋いんだ」
「ええ、そう思うわ」
 こう僕に言うのだった。
「とてもね」
「言われてみればそうかな」
「日本酒で一杯やってそうな」
「うん、日本酒実際にね」
「好きよね」
「白ワインも好きだよ」
 こちらは日本酒の代わりに飲んだりすることも多い、個人的に魚介類を食べる時のワインはやっぱり白だと思う。
「こちらもね」
「そうよね、だからね」
「そう思ったんだ、詩織さんは」
「じゃあ今夜は魚介類が出たら」
「白ワインも飲もうかな」
「けれどお肉だと赤よね」
 詩織さんはくすりと笑ってこちらの色のワインもお話に出した。
「そうよね」
「じゃあ赤も飲もうかな」
「どっちも飲むの?」
「そうしようかな」
「どっちもだとね」
 詩織さんは僕の言葉を聞いてくすりと笑ってこう言って来た。 
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