八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二十六話 バーベキューその二
「楽しくやりましょう」
「はい、それでは」
「お願いします」
「それでは」
こう畑中さんのご夫婦ともお話してだった、僕は今夜の予定を決めた。そのことを決めてからだった。僕達は登校した。
だが登校してから気付いたことがあった、僕は詩織さんにそのことを言った。
「あの、バーベキューっていっても」
「今夜のこと?」
「何を焼いて食べるのかな」
気付いたことはこのことだった。
「一体」
「バーベキューだから牛肉でしょ」
すぐにだ、詩織さんは僕にこう答えた。
「やっぱり」
「牛肉かな」
「そうでしょ」
「ううん、そうなのかな」
「だって。バーベキューっていったら」
それこそとだ、詩織さんは僕にまた言った。
「それでしょ」
「牛肉を焼いて」
「それで食べるでしょ」
「いや、他にもあるじゃない」
僕は牛肉以外の食材の話をここで出した。
「鶏肉とかお野菜とかソーセージとか」
「そういうのね」
「あと魚介類とか」
「何が出て来るかなのね」
「それが気になってね」
それで、とだ。詩織さんに話した。
「どうなるのかなって思ったんだ」
「そうだったの」
「何が出て来るかな」
「やっぱりお肉はね」
牛肉は、とだ。詩織さんはまた言った。
「絶対に出て来るわ」
「そうだろうね、言われてみれば」
「魚介類だけのバーベキューは」
「あまりないね」
「そうでしょ、それにバーベキューっていえば牛肉じゃない」
この組み合わせはというのだ。
「もう外せないでしょ」
「確かにそうだね」
「だから牛肉は絶対にメインで出て来るから」
「そのことは頭に入れてというか」
僕は詩織さんと話をしつつこう考えなおして言った。
「当然だね」
「そうでしょ」
「うん、牛肉は絶対に出て来るね」
「幸い皆牛肉食べられるから」
「宗教的にね」
「牛肉はね」
ここでこうも言った詩織さんだった。
「ヒンズー教徒は食べられないから」
「牛が神聖な生きものだからだったね」
「そうよね、あの宗教だと」
「牛は神様の使い」
そしてその中に沢山の神様が宿っていると言われているのだ。もっと言えば牛は農業に役立つしミルクも提供してくれる。こんな有り難い生きものを食べることで殺しては勿体無いという考えがヒンズー教にあったみたいだ。
「だからだったね」
「あの宗教では牛肉はアウトなのよね」
「そうだね、けれどね」
「八条荘にはインドの人はいないから」
「ヒンズー教徒の人もね」
「それでね」
「牛肉もいいね」
「ええ、有り難いことにね」
「じゃあ今日は」
僕は詩織さんと話しつつ考える顔になって述べた。
「牛肉食べようか」
「多分他のお肉も出るから」
「そっちも楽しみだね」
「あと魚介類もね」
「出るよね」
「うん、ただ義和君って」
詩織さんは僕の横顔を見つつこうしたことも言った。
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