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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二十五話 最後の人その七

「一人になるとどうしてもね」
「そうなんだ、一人寝が寂しいから」
「よくね」
「まあ。部屋の移動は自由だから」
 部屋と部屋の間のだ。
「金品盗難とかは言ってね、調べてもらうから」
「うちに入居している人でそういうことする人いるの?」
「いないとは思うよ」
 けれどそれでもだった、僕は管理人として答えた。
「それでもね」
「そうしたことはなのね」
「そう、気をつけないといけないから」
 万が一ということがあるからだ。
「だからね」
「そうしたことがあったら」
「僕が調べてもらうから」
「それおおっぴらにするの?」
「申し出て来た人がいればそうするかもね、けれどね」
 それでもだ、基本はだった。
「こうしたことは内密の方がいいよね」
「ええ、お金だけじゃなくてね」
 盗難関係はとだ、詩織さんも僕に答えてくれた。
「全般のことでね」
「生活必需品とかのことはね」
「どうしてもよね」
「気をつけないと」
 自分だけでなく周囲もだ。
「確かに皆いい人達だけれど」
「畑中さん達もね」
「けれどね」
「そういうことはあるのね」
「うん、絶対に有り得ないかっていうと」
 このことはだ、どうしても。
「言えないじゃない」
「間違いがあるかも知れないから」
「うん、だからね」
「注意してるのね」
「そうなんだ」
 僕はこう詩織さんに話した。
「いつもそうしてるんだ」
「ううん、何かね」
「何かって?」
「いや、義和君も大家さんなのね」
 こう僕に言うのだった。
「そういうところはしっかりしてて」
「そうなんだ、考えに入れてるんだ」
 そこはしっかりしないととだ、僕は実際に考えていた。
 それでだ、また言った。
「そうしたことが起こらない様に、そして」
「起こった時のことも」
「ちゃんとね」
「だから貴重品はなのね」
「うん、お金とかはね」
「畑中さんの奥さんが受け持っているのね」
 このことは最近決めたことだ、貴重品の管理は畑中さんの奥さんが一括してしてくれる様に決めた。この僕が。
「そうしたのね」
「そうだよ、あの人に渡していれば」
「なくすこともないし」
「渡していなくて何があっても」
「その娘の責任ね」
「そういうことにしたんだ」
 奥さんは僕のこの提案に快諾してくれた、それで決まった。
「いいことだと思うけれど」
「何か自衛隊みたいだけれど」
「そうそう、自衛隊の教育隊じゃそうするらしいから」
「貴重品の管理はなのね」
「それぞれの班長さんが受け持つことがあるらしいから」
「それでそうしたのね」
「そうなんだ」
 あとそれぞれのロッカーもある、どうしても渡せない貴重品のことも考えてそのうえでこのことも決めたのだ。 
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