八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二十四話 ウチナンチューその一
第二十四話 ウチナンチュー
マルヤムさんも入って八条荘は二十二人の入居者を抱えることになった、だが。
畑中さんは朝起きて朝食を食べ終えた僕にだ、こんなことを言って来た。
「あの、後の入居者の方ですが」
「はい、後お二人ですよね」
「そうです、とりあえずですが」
「とりあえずっていいますと」
「今のところ二十四人だけなので」
「これからも入居志望の人がいれば」
「チェックをしまして」
入居していい人かどうか、をというのだ。
「そのうえで」
「決めるんですね」
「はい、ですから」
「今はですね」
「二十四人です」
今いる二十二人と合わせて、とだ。畑中さんは僕に話してくれた。
「そうなります」
「そうですか、それでなんですね」
「二十四人です」
「わかりました」
僕は畑中さんのその言葉に頷いて答えた。
「そうなんですね」
「二十四人ですから」
「その数を、ですね」
「よく覚えておいて下さい」
管理人として、というのだ。
「そのことを」
「わかりました、それじゃあ」
「また今日も来られます」
「本当に毎日ですね」
「そうです、入居予定が重なっていまして」
「一日に二人の場合もありましたし」
「入居者の方は集まってきています」
この八条荘にというのだ。
「そうなっています」
「そうですね」
「この八条荘は世界中から入居者の方が来られます」
「八条学園関係のアパートらしいですね」
世界中から人が集まって来るその学園にだ。
「そこが」
「はい、やはり日本からの方が最も多いですが」
「全体の半分位ですか」
「しっかり半分ですね、そして」
「そして?」
「今度の方は沖縄から来られます」
このことをだ、ここで僕に話してくれた。
「あちらから」
「沖縄ですか」
「義和様も沖縄のことはご存知ですね」
「小学校五年の時に親父に連れて行ってもらいました」
毎年夏にはそうしてくれた、もっとも旅先でもいつも女の人と知り合って宜しくやっていたしそれぞれの場所のお酒も飲んでいた。
「その時にだけですけれど」
「そうですね、それでは」
「沖縄のことをですね」
「ご存知ですね」
「ある程度ですが」
僕は畑中さんにこう答えた。
「とはいっても表面だけのことで」
「その全てはですね」
「知らないです」
一回の旅行だけでわかったとは思えない、だからこう答えた。
「とても」
「そうですね、しかし行かれたことはですね」
「それは事実です」
「ですがその分だけ」
「沖縄を知っているってことですね」
「そうです、あちらもいい場所ですね」
畑中さんは温和な笑顔で僕に答えてくれた。
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