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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二十三話 マレーシアという国その十

「そのことはただのご関心だけでなく」
「他にですか」
「はい、日本文化をマレーシアに取り入れ」
「そして、ですか」
「あのお国の文化に貢献したいと」
「思われていて」
「はい、凄くです」
 それこそ、というのだ。
「学ばれています」
「そうだったんですね」
「それで古今の日本文化を学ばれています」
「そういえばマレーシアは」
 ここでだ、僕は奥さんにこう話した。
「色々な文化が入っていますね」
「はい、マレー人の文化に華僑の文化が」
「イスラムと中華ですね」
「その二つが多く」
「その他の文化もですね」
「あります」
「そしてそこに日本文化もですか」
 僕はここでマルヤムさんの考えがわかった、あの人が日本文化を必死に勉強しようとしているのは関心だけではないことに。
「入れて」
「より多様な文化にしたいとです」
「お考えですか」
「だからです」
「それで奈良にもですか」
「私には京都をと仰っていました」
 奈良と並ぶ昔の日本があるあの街にもというのだ。
「是非にと」
「京都もですか」
「そして伊勢や高野山も」
「高野山も」
「行かれたいそうです」
「それはまた本格的ですね」
 伊勢もそうだがそこもとなるとだ、僕は聞いて思わず唸った。
「高野山ですか」
「何かとです」
「日本の古今を学ばれたいんですね」
「それこそ様々な時代の」
「本当に凄いですね」
「私も高野山はです」
 奥さんはここでこう僕に話してくれた。
「一度主人とです」
「行かれたことがありますか」
「はい、素晴らしい場所です」
「弘法大師が開いた」
「日本の聖地の一つです」
 そう言ってもいい、あの山と比叡山は。
「あそこに行かれるということは」
「宗教は違っていても」
「素晴らしいことを学ばれますので」
「そうですよね」
「はい、私もそれは素晴らしいことですとお答えしました」
「熱心な人なんですね、本当に」
 僕はこのことも知った。
「そこまで学ばれるなんて」
「そうですね、ああした方が」
 ここでだ、奥さんはこうも言った。
「本当の友好を築いてくれます」
「日本のマレーシアのですね」
「そうです」
 まさにその通りというのだ。
「あの方は確かに日本が好きですが」
「それだけじゃないですか」
「そうです」
「と、いいますと」
「あの方のお部屋ですが」 
 尚八条荘の人の部屋は僕は入ることが出来ない、これは僕が最初に畑中さんにそう言ったからだ。女の子の部屋に入ってはいけないと思ったからだ。
 そのお部屋のことをだ、奥さんはここで僕に話してくれた。 
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