| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十二話 秋田小町その七

「けれどね」
「それでもだね」
「殴られたことはね」
 それはだった。
「なかったよ、それにね」
「それに?」
「親父は絶対に。人を何発も殴ったり蹴ったりする様な」
 そうしたことはしない、親父は。
「絶対にね」
「それだけで全然違うから」
「そうそう、DV男とかいるけれど」
「最低だから」
 女の子達もこう僕に言って来た。
「奥さんや子供さんに暴力振るう奴」
「彼女でもね」
「女でもいるけれどね」
「いるいる、子供を虐待する女」
 嫌悪感を丸出しにしてだ、女の子達は口々に言った。
「それで殺したりするのよね」
「自分の子供でもね」
「それで愛情はあったとか」
「虐待しておいて何が愛情って思うわよね」
「男でも女でもね」
「そんな奴最低だから」
「生きてく資格ないわよ」
 こうお互いに言ってだ、そしてだった。
 女の子は僕にもだ、こう言った。
「大家君のお父さんは有名だから」
「お医者さんとしても女好きとしても」
「けれど決して評判は悪くないわよ」
「悪人とは思われてないわよ」
 こう言うのだった、親父のことを。
「だからね」
「今みたいに言っている方がいいわよ」
「少なくとも人の道は守ってる人だから」
「その分だけね」
「だといいけれどね、けれどあの親父だから」
 それでとだ、僕はこんなことも言った。自分でも首を傾げさせて眉を曇らせて。そうしたあまりよくない顔になっていることが自分でもわかった。
「腹違いの兄弟姉妹とかね」
「いてもおかしくない」
「そう言うのね」
「そう思うよ、時々」
 実際にとだ、僕は皆にこうしたことも言った。
「何人いるかってね」
「それはね」
「まあ何ていうかね」
「あの人だから」
「あの人なら」
 それこそだ。
「何十人とかいてもね」
「おかしくないわよね」
「そうよね」
「そのことは」
 皆も否定しなかった、このことは。
「これまでお付き合いした人三千人?」
「それ位って聞いたけれど」
「名付けて日本が誇る種馬」
「リアルエロゲの主人公」
「そう言われてる人だから」
「やっぱり」
「そうなんだよね、本当に何人いてもね」
 詩織さんのことを隠しながらだ、僕は言った。
「おかしくな人だから」
「それこそ隠し子が何人出て来ても」
「大家君の腹違いのご兄弟姉妹がどれだけいても」
「おかしくないのね」
「それこそ」
「だから怖いんだよね」
 僕は心からこう言った。
「うちの親父位になる」
「確か親父さん今イタリアだよな」
「あの国にいるんだよな」
 男子の面々が言って来た。
「そうだよね」
「今は」
「そうだよ、イタリアも奇麗な人が多いらしいから」
 それでだった。
「相当遊んでいるらしいよ」
「じゃああそこでも」
「遊んでいるんだな」
「まさにエロゲの主人公みたいに」
「壮絶な位に」
「親父体力も凄いから」
 どう凄いかというと。
「朝まで女の人五人と一緒に遊んでちょっと寝て日課のランニングして仕事行ってね」
「それでなんだ」
「お仕事が終わったら」
「うん、また遊ぶんだ」
 お酒に女の人でだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧