八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二十二話 秋田小町その四
「だからね」
「それでだったね」
「イスラム教の決まりは。殺人とかとんでもない犯罪以外は」
「全部目標で」
「だから豚肉を食べたりすることも」
「仕方ない場合とかは」
「いいんだ」
その『仕方ない』場合は解釈によるということだ。
「そうした場合は」
「そうだよ」
「じゃあお酒も」
「飲んでるよね」
「うん、しっかりとね」
「その前に言ってなかった?」
そのアッラーへの謝罪の言葉をというのだ。
「何か」
「そういえば小声で」
僕もそう言われてふと思い出した。
「イタワッチさんも言ってたよ」
「そうそう、そうして謝るとね」
「いいんだ」
「イスラム教は人は弱いということも理解している宗教だから」
「戒律もなんだ」
「それ位だとね」
豚肉を食べたりお酒を飲むこともというのだ。
「許してもらえるんだ」
「融通が利く宗教ってことだね」
「そうなんだ、ただ」
「ただ?」
「間違っても改宗は勧めないことだよ」
このことはだ、僕にも他の皆にも真顔で言って来た。ムスリムの人達に改宗を迫る様なことは絶対に駄目だというのだ。
「死ぬから」
「死ぬんだ」
「うん、殺されても文句言えないから」
「別に改宗とかは」
僕もこう彼に返した。
「考えていないよ」
「そうだよね」
「というかムスリムの人に改宗を迫る日本人なんて」
それこそとだ、僕は返した。
「いないよ」
「うん、僕もそう思うよ」
このクラスメイトもこう僕に答えた。
「他の宗教を認められているからね」
「日本人だと」
「何処かの国のアジア大会でそれやって」
「それ下手しなくても原理主義者来るから」
それで死ぬ、僕はここで何故ムスリムの人に改宗を迫ると死ぬのかわかった。イスラム教にもそうした人達がいるからだ。
「まずいよ」
「そうだよね、まあそんなことしない限りは」
「大丈夫なんだ」
「普通にね」
それこそ、というのだ。
「まあこの学園でそんな人いないけれど」
「ムスリムの人に改宗言う人は」
「他の宗教の人にもね」
「そうだよね、いいことだよ」
僕はクラスメイトの言葉に頷いた、そしてだった。
そうした話をしつつだ、こんなことを言った。
「やっぱり出来る限り豚肉とか出さない方がいいかな」
「そこはリクエスト聞いたら?」
「イタワッチさんの?」
「うん、まあその辺りはね」
「それでいいんだ」
「まあ東南アジアのイスラムはかなり寛容らしいから」
「今までもいけたしこれからもかな」
僕はあらためて思った。
ページ上へ戻る