| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十一話 古代の都からその九

「僕達が今いる神戸にしても」
「この街は確か」
「阪神大震災がありました」
 僕が生まれる前にだ、恐ろしい地震があった。その地震のことは今も神戸市民の間で恐ろしい事実として語られている。
「それで大変なことになったそうです」
「そうですね」
「その時沢山の人が亡くなりました」
 それこそ何千人とだ、多くの人が犠牲になった。
「そして前は」
「津波もありましたね」
「東北の方で」
 あの地震も恐ろしいものだった、思い出しただけで寒気がする位に。
「とんでもない地震がありました」
「あの時の地震も」
「沢山の人が亡くなりました」
「一万人以上の人がでしたね」
「二万以上の人が」 
 あの地震と津波でだ、本当に多くの人が亡くなった。その時のことも僕も他の人達も今でもはっきりと覚えている。
「それで酷い奴が総理大臣で」
「人災もですか」
「ありました」
 あいつの下卑た笑顔も忘れられない。
「原発のこともあって」
「そのこともですね」
「大変でした」
 そうだった、本当に。
「沢山の人が亡くなって」
「その地震のことが」
「怖いんですね」
「はい、けれど」
「けれどですか」
「地震があっても。何とか乗り越えられます」
 あくまで生きていればだけれどだ、そうした災害があってもなのだ。
「僕達は」
「そうなのですか」
「ですから安心して下さい」
「あの様な地震が再び起こっても」
「必ず何とか出来ます」
 しなければならないのだろうか、僕はチェチーリアさんと話しながら心の中でそうしたことも思った。それでだった。
 そのうえでだ、チェチーリアさんにこうも言った。
「絶対に」
「絶対にですか」
「これまでもそうしてきましたし」
「では私も」
「何とかなりますから」
 それで、とだ。チェチーリアさんに話した。
「安心して下さい」
「そもそもね」
 ここでモンセラさんがチェチーリアさんにこんなことを言った。
「一つ思うことは」
「何かしら」
「いえ、チェチーリアさんのお国のペルーはゲリラがいて」
「共産ゲリラね」
「うちも麻薬組織が問題ですけれど」
 チェチーリアさんのお国のペルーもというのだ。
「そちらが暴れ回っていますよね」
「まだ地域によっては」
「でしたら災害よりも厄介なんじゃ」
「そうかしら」
「はい、あの連中の方が」
「私のいた地域はゲリラ、テロリストね」
「そうですよね」
 モンセラさんみも言われてチェチーリアさんの言葉に応えた。
「出て来ていますよね」
「ええ、そちらの方がというのよね」
「地震より怖いんじゃな」
「それは人それぞれかしら」
「それぞれですか」
「私の住んでいた場所では出なかったから」
 その共産ゲリラ達がというのだ。
「別にね」
「実感としてはですか」
「知らないから」
 日本で味わった地震と違い、というのだ。
「だから別にね、それにそのゲリラも最近は」
「あっ、減ったんですね」
「まだいるにはいるけれど」
 それでもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧