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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二十一話 古代の都からその四

「歓迎には丁渡いいメニューですよね」
「賑やかに食べられますし」
「ですから」 
 それでだとだ、僕は畑中さんに言った。
「お願いします」
「わかりました」
「それとペルーの方ですよね」
「そうです」
「ええと、ペルー料理は」
 そう言われてもだ、どうもだった。
 僕は思いつかなかった、それでこう畑中さんに言った。
「小野さんはペルー料理は」
「おそらくですが」
「ご存知ありませんか」
「そう思います」
「小野さんも知っていることと知らないことがありますからね」
 人なら誰でもそうだ、例えあれだけ色々な料理を美味しく作ることが出来る小野さんでも知らない料理があって当然だ。それにペルー料理といってもだ。
 僕は知らなかった、それは小野さんも同じだろうと思って言ったのだ。、
「ですから」
「ペルー料理はですね」
「あるに越したことはないですけれど」
「なくてもですね」
「仕方ないかと」
「そう思われますか」
「はい、僕は」
 僕故人の意見として小野さんに話した。
「そう思いますから」
「一応畑中さんにお聞きしてみます」
 畑中さんから僕に言ってくれた。
「ペルー料理をご存知かどうか」
「そして作られるかどうかをですね」
「少なくともスペイン料理やメキシコ料理は大丈夫です」
「それでシェラスコもですね」
「はい」
 こちらは大丈夫だった、さっきお話した通り。
「そちらは大丈夫です」
「お肉を焼く場所も」
「あります」
 こちらの心配も無用だった。
「実は小野さんはシェラスコのお店におられたこともありまして」
「その焼く用具もですか」
「用意していますので」
 それで、というのだ。
「八条荘ではシェラスコを焼くことも出来ます」
「それは何よりですね」
「小野さんご自身もシェラスコを焼かれることがお好きなので」
 さらにいいことにだった。
「ですから」
「それで、ですね」
「そちらもご心配なく」
「じゃあお家に帰れば」
「歓迎パーティーです」
 何か毎日している気もするけれどそれでもだった、僕達は歓迎パーティーをすることになった、そしてだった。
 僕は午後の授業も部活も出てだった、八条荘に帰ると。
 お肉が焼けるいい匂いがした、それにだった。
 ソースの匂いもした、それで僕は丁渡玄関のところをお掃除していた小柳さんに言った。
「シェラスコですね」
「はい、今焼いている最中です」
「そうですか」
「ですから」
 それで、というのだ。
「この匂いがします」
「お肉が焼ける匂いに」
「おソースの匂いもです」
「これ以上はない位いい匂いですね」
「はい、後は」
「後は?」
「ペルー料理もです」
 小柳さんは僕にお掃除を続けながら笑顔で話してくれた。 
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