八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二十一話 古代の都からその二
「是非ね」
「確かにね」
「あそこはね」
「凄い段々になっていて」
「そこに遺跡があって」
アンデスのその谷のところにだ。
「あそこには一度ね」
「行ってみたいね」
「どうにかして」
「相当行きにくいけれど」
「僕が思うことだけれど」
ここでだ、僕は皆にこうしたことも言った。
「インカ帝国の遺跡とかって凄いところにあるよね」
「マチュピチュにしてもナスカにしても」
「どっちもね」
「どうしてこんなの作ったのかもわからないし、地上絵なんて」
他の中南米の遺跡もだ、どういった技術で何を意味して作られたものなのかわからないものが本当に多い。
「恐竜のレリーフもあったよね」
「そうそう、メキシコか何処かに」
「あったわ」
「他にも飛行機とか宇宙船とか」
そういうものじゃないかという遺跡もある、あそこには。
「水晶の髑髏とか」
「あれは比較的新しい時代のものって説もあるわよ」
女の子の一人があの髑髏についてこの説を言って来た。
「オーパーツじゃなくてね」
「あっ、そうなんだ」
「確かに精巧なものだけれどね」
それでもだというのだ。
「古代のものじゃないって説もあるわよ」
「それじゃあ何時の時代のものかな」
「私もそこまでは知らないけれど」
「そうした話もあるんだね」
「そうなの、けれどね」
女の子は僕達にこうも言った。
「中南米の遺跡とかが不思議なのは確かね」
「今じゃ殆どわからないことは」
「そう、スペインが破壊したから」
あの時中南米を侵略したスペインがだ。
「もう徹底的にね」
「スペインも悪いことするね」
「今のスペイン人じゃないけれどね」
昔のスペイン人と今のスペイン人は違う、僕の中のスペインのイメージは結構愛嬌がある陽気な国である。
「悪いことしたね」
「それもかなりね」
「そう、だからね」
それで、というのだ。女の子は。
「今の時点だとね」
「わからないね」
「中々ね」
「これでも昔と比べたら随分わかったらしいけれど」
先生は僕達にこのことも話してくれた。
「中々わかっていないみたいだね」
「インカ帝国のこともね」
「そうだね、けれどね」
それでもだった、僕は皆にこうも言った。
「それだけにロマンがあるのかな」
「遺跡のロマンだね」
「考古学の」
「そうじゃないな、そう思うとインディ=ジョーンズみたいな人があそこにいても」
あのアンデスの中にだ。
「不思議じゃないかな」
「実際いつも考古学者の人が沢山研究しているらしいしね」
「あのアンデスの中で」
「そうしてるのね」
「そう、だから」
それで、とだ。僕はまた言った。
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