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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二十一話 古代の都からその一

                  第二十一話  古代の都から
 ニキータさんを迎えたその日僕は午前中は世界史の授業を受けた。そしてそこで先生に言われたことについてクラスの皆と話していた。
「インカ帝国ねえ」
「よく漫画とかで出て来るけれど」
「凄い国だったのね」
「そうみたいだね」
 こうだ、皆僕の席のところに話した、当然僕も自分の席に座ってその話に加わっている。
「高い場所にあって」
「アンデス山脈の」
「信じられない位沢山の黄金やエメラルドがあって」
「それでかなり進んだ文明を持っていて」
「独自の信仰もあって」
「本当に凄い国だったのね」
「けれど今はね」
「もうね」
 ここで皆残念な顔になって話した。
「スペインに滅ぼされて」
「それでもうないのよね」
「もう徹底的に破壊されて」
「どんな国だったか調べることすら大変っていう」
「そんな状況って先生言ってたね」
「悲しいことに」
「マチュピチュって遺跡もあったっていうね」
 僕は先生が授業中に話してくれたこの遺跡のことを皆に言った。
「あそこには」
「そうだね、あそこもね」
「何か凄い場所にあるらしいし」
「アンデスの山奥にあるんだよね」
「秘境みたいな場所に」
「あそこ行ってみたいね」
 僕はマチュピチュのことを想像しつつ皆にこうも言った。
「是非ね」
「どんな場所なのか」
「どういった遺跡かね」
「行くのは大変みたいだけれど」
「確かに行ってみたいわよね」
「それにね」
 僕はさらに言った。
「ナスカの地上絵も」
「ああ、ゼビウスの」
 ここでクラスメイトの一人がこう言って来た。
「あの絵だね」
「ゼビウス?」
「大昔のシューティングゲームなんだ」
 クラスメイトは僕達の問いに笑顔で答えてくれた。
「ナムコのね」
「ああ、ナムコバンダイの」
「あのメーカーの」
「うん、これが凄く面白くて」
「ナスカの地上絵も出ている」
「そうなのね」
「うん、僕この前ゼビウスやってさ」
 それで、というのだ。
「ナスカの地上絵を見たんだ」
「ゲームにも出て来るんだね」
 僕はそのクラスメイトの話を聞いてしみじみとした口調で述べた。
「そうなんだね」
「うん、皆も一回やってみたらいいよ」
「そうしようかな」 
 僕は彼の言葉に腕を組んで考える顔になってこう言った。
「そんなに面白いんなら」
「面白いゲームは皆でしないと」
 僕達にこうも言って来た。
「損だよ」
「皆で楽しんでこそだね」
「そう、だからね」
 それで、というのだ。
「皆も是非してみてね」
「そのゼビウスを」
「それでナスカの地上絵見てね」
「そうさせてもらおうかな、けれど」 
 僕は彼の話を聞いてまた言った。
「本当にマチュピチュもナスカの地上絵も」
「どっちもなんだ」
「一回行ってみたいね」
 こうしみじみとした口調で言ったのだった。 
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