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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二十話 サッカー少女その六

「特に昔の方は」
「手塚治虫さんや藤子不二雄さんですね」
「石ノ森章太郎さんもでしたね」
「あの頃の人達は殆ど寝てなかったんですね」
「手塚先生の睡眠時間は一日四時間でした」
 どうもそうらしい、激務もいいところだ。
「その間殆ど執筆していまして」
「凄いですね、それはまた」
「そして徹夜も多く」
「過労になりますよね」
「過労と運動不足もあり」
 それで、というのだった。
「その結果過労死とも言われています」
「確か胃癌で亡くなられたんですよね」
「その癌もです」
「過労のせいですか」
「そうとも言われています」
「藤子不二雄先生や石ノ森章太郎先生もですか」
 藤子不二雄先生はコンビだった、だがお二人共その長い漫画家生活の中でだ。やはり徹夜続きだったというのだ。
「ううん、昔の漫画家さんは」
「本当に徹夜ばかりで無理をされていましたので」
「過労で」
「そうです、まずは寝て食べることです」
「食べることもですね」
「そうです、この二つがです」
 絶対に、というのだ。
「健康に大事なのです」
「ううん、じゃあ僕も」
「はい、ゆっくりとお休み下さい」
「そうさせてもらいます」
「私もそうしていますので」
 寝られる時に寝ているというのだ、僕は畑中さんのそのお話を聞いて納得した。それと共にほっとしてそしてだった。
 畑中さんにだ、微笑んで言った。
「それでは」
「それではですね」
「もう少ししたら寝ます」
「はい、お休み下さい」
 畑中さんは僕に微笑んで言ってくれた。
「ゆっくりと」
「そうさせてもらいます」
「そして翌朝になれば」 
 まさにその時になればだった。
「新しい方が来られていますので」
「そのことをですね」
「楽しみにされて下さい」
 僕に微笑んでこうも言ってくれてだった、そして。
 僕は最後にだ、畑中さんにこう言った。
「じゃあオーパ!のことも」
「そちらもですね」
「はい、お願いします」
 こう畑中さんにお願いした。
「楽しみにしていますので」
「あれはまことによい本です」
 畑中さんは微笑んでこうも言った、微笑みは今もだった。
「学問の本です」
「読んでいて楽しいですね」
「はい、まことに」
「学問っていうと堅苦しいイメージがありますけれど」
「堅苦しく考えるものではありません」
「学問はですか」
「はい」
 そうだとだ、僕に教えてくれた。
「スポーツもそうですが」
「堅苦しく考えずにですか」
「楽しむものです」
「楽しく学んで、ですね」
「身に着け、世の為人の為に役立てるものです」
「自己満足でも駄目なんですね」
「自己満足はそれで終わりです」
 その時点で、というのだ。そこから先には一切進まないというのだ。 
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