八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二十話 サッカー少女その四
「そこからですか」
「はい、ありますので」
だからだというのだ。
「ご安心下さい」
「わかりました、お願いします」
「それでは」
こうして本の話も終わった、それから。
僕は畑中さんにだ、そのブラジルから来る人のことをあらためて聞いた。
「それでそのブラジルから来る人は」
「その方のことですね」
「日本語を喋ることが出来ますよね」
「他の方と同じです」
つまり日本語を喋ることが出来るというのだ。
「ですから言葉のことはご安心下さい」
「わかりました」
このことについてはだ、僕も納得した。
「言葉が通じるのならかなり安心出来ますね」
「八条荘に入る条件でもあります」
「日本語を読み書き出来ることが」
「そのことがですね」
「そうです、それに」
「八条学園に留学する条件も」
このことは僕も知っていた、八条学園を経営している八条家の人間だからだ。
「日本語を読み書き出来る」
「そのこともありますので」
「八条荘は八条学園の生徒の方の為のアパートです」
「だから」
「そうです、ここに入られる方も」
「日本語を読み書き出来ますね」
「ですからご安心下さい」
こう僕に話してくれた。
「このことにつきましては」
「わかりました」
僕は畑中さんのその言葉に頷いて答えた。
そしてだ、畑中さんにその人についてさらに尋ねた。
「それでどういった人でしょうか」
「生まれと育ちはサンパウロとのことです」
「ブラジルでも有名な都市の一つですね」
「はい、あちらで育たれて」
「性格とかは」
「メールを見る限りかなり陽気な方です」
「そこはブラジルの人らしいですね」
ブラジルの人はラテン系のせいかとても陽気なイメージが僕にある、それでこう畑中さんに対して答えた。
「陽気なことは」
「それで活発ですね」
「やっぱりブラジルの人らしいですね」
「実際にお会いしないとどういった方かわかりませんが」
「陽気な人と思って、ですね」
「いいと思います」
「わかりました、それで何時頃来られますか?」
明日来ることはわかった、それでだった。その明日の何時来るかもだ、僕は尋ねた。
「明日の」
「はい、明日の朝に」
「朝ですか」
「それも早いうちに来られます」
「じゃあ六時位に」
「いえ、より早く」
「六時よりもですか」
そう聞いてだ、僕は驚いて言った。
「それはまたかなり早いですね」
「四時前になるとか」
「あの、四時前ですと」
「皆さんお休みですね」
「夜ですよ」
四時になるとだ、僕の感覚ではだ。
「大体四時半から朝ですよね」
「どうもあちらの都合で」
「四時前にですか」
「来られます、それで」
「それで、ですね」
「影の実行部隊の方々が全てをしてくれます、そして私も」
畑中さんもだというのだ。
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