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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二十話 サッカー少女その三

「やっぱり」
「義和様はアマゾンですね」
「はい」 
 そうだとだ、畑中さんに答えた。
「そちらを連想します」
「左様ですか」
「物凄く広大な自然で」
「様々な生物がその中にいます」
「中に入るとそれこそ」
「まさに秘境です」
 実際にそう聞いているし考えている、アマゾンはそうした場所だと。
「迂闊には入ることが出来ません」
「アナコンダがいて鰐がいてピラニアがいて」
「森の中にも猛獣がいます」
「ジャガーもですね」
「実に多くの危険な生物が棲息しています」
「子供の頃にそのことを聞きまして」
 それでだった、まさに。
「僕も興味を持ちまして」
「それで、ですね」
「ブラジルといえばアマゾンです」
 まず連想する様になった、ブラジルというと。
「中南米は他にも色々ありますけれど」
「アステカやインカ等の古代文明も」
「そうですね、ブラジルには」
「アマゾンにはなかった筈です」
「今のところは見つかっていないんですね」
「左様です」
「流石にあそこには」 
 その秘境、緑の地獄と昔読んだ本の中で書いてあったそうした場所にだ。人が多くいて文明があるとはだった。
「ないですよね」
「おそらくは」
 畑中さんもそう考えていた、確かにあの場所ならだ。
「今も人はあまりいませんですし」
「そうですよね」
「あの場所は人が容易に入られる場所ではありません」
「そうですよね、ですから」
「義和様もですね」
「興味がありまして」
 それでだった。
「本も何冊か読みました」
「オーパ!でしょうか」
「開高健先生の」
「あの本を読まれたのでしょうか」
「はい、図書館で」
 中等部のだ、あの本を読んだのだ。
「読みました」
「あの本は面白いですね」
「凄く面白くて」
 読んでいて引き込まれてだ、何度も読んだ。
「今度買おうかなって思っています」
「それでしたら」
 僕の今の言葉を受けてだ、畑中さんはこう言って来た。
「こちらで」
「オーパ!をですか」
「取り寄せさせて頂きますが」
「本あるんですか」
「ご本家の図書館に何冊も」
 そしてそのうちの一冊をというのだ。
「こちらに」
「そうですか、じゃあ」
「本のこともご心配なく」 
 そちらのことも、というのだ。
「手配させて頂きますので」
「ではオーパ!も」
「明日にでもこの書斎に届きます」
「それはまた早いですね」
「ご本家の図書館に連絡するだけですから」
 それで済む話だからだとだ、畑中さんは言ってくれた。
「すぐに済みます」
「八条家自体も図書館持ってますからね」
 八条学園にそれぞれの学部、大学と高校の各学科、中等部と小学校にそれぞれあるだ。その図書館とは別にだ。 
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