八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二十話 サッカー少女その二
「だからですね」
「はい、他にキューバ系、プエルトリコ系に」
「フィリピン系の人もですね」
「おられますので」
それで、というのだ。
「ですから」
「スペイン語はアメリカでも通じるんですね」
「ロスやフロリダでは特に」
「そう思うとかなり便利ですね」
「スペイン語を話すことが出来ますと」
勿論書くこともだ。
「本当に便利です」
「うちの高校でも多いですしね」
そのテレサさんやモンセラさんと同じくだ。スペイン語圏からの留学生の人達が。
「ブラジルからの人も」
「はい、大学も」
「うちの大学語学部もありますけれど」
その語学部でもだ。
「スペイン語、ポルトガル語の学科があって」
「メキシコ語やブラジル語も」
「ありますからね」
「ここで重要なことはです」
畑中さんは僕にさらにお話してくれた。
「同じスペイン語でもです」
「メキシコ語とはですね」
「違いがあります」
「方言みたいなものですか」
「はい、ですから八条大学では別の学科になっています」
「英語もそうですしね」
英語学科とはならずアメリカ語、そしてオーストラリア語に分かれている。何でもそれぞれ方言として違っているらしい。
「だからですね」
「八条大学では分けられています」
「そうなんですね」
「中国語もです」
「あっ、そうらしいですね」
「広東語と上海語、四川語にです」
それにだった。
「北京語もあります」
「中国は広いですからね」
「だから分かれています。水蓮様がお詳しいと思いますが」
中国人のあの人なら余計に、というのだ。
「他には客家語もあります」
「客家っていうとあの」
「はい、中国のユダヤ人と言われている」
「戦乱を逃れて移住した人達ですよね」
「他の地域に」
「あの人達もなんですか」
「独自の言語があります」
中国語の中でもだというのだ、広い国だから同じ言語でも分かれているけれど客家の人達もまた然りというのだ。
「八条大学ではそこまで分けられてはいませんが」
「中国語は中国語ですね」
「はい」
「そうなんですね」
「それでブラジルですが」
畑中さんからこの国のことを言ってきた、ここで。
「今度来られる方はです」
「ブラジルからの方ですか」
「明日来られます」
このことをここで僕に話してくれた。
「こちらに」
「そうですか、ブラジルからの方も」
「来られます」
そうだというのだ。
「その方も宜しくお願いします」
「わかりました」
「ブラジルも面白い国でして」
「アマゾンとかサッカーとかサンバとかカーニバルの」
「様々なものがありますね」
「そうですね、僕はその中でも」
ブラジルといえばだ、僕が最初に連想することは。
「アマゾンでしょうか」
「アマゾンの大自然ですね」
「サッカーも連想しますけれど」
けれどサッカーは他の国でも盛んだ、発祥の国であるイギリスでもだ。だから僕にとってはサッカーよりもなのだ。
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