八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二十話 サッカー少女その一
第二十話 サッカー少女
井上さんが入居されてお酒を飲んでからだった、僕は書斎に入った。そのうえで畑中さんとお話した。そのお話とは。
「あの、井上さんは日本人ですけれど」
「何か」
「はい、外国からの方も多くて」
「それで、ですね」
「テレサさんとモンセラさんですけれど」
僕がここでお話するのはお二人のことだった。
「お二人はそれぞれ言葉が同じでしたね」
「母国語は」
「そうでしたね」
「フィリピンはタガログ語も話されます」
フィリピンに昔からある言語だ。
「それと英語も」
「アメリカの植民地だったからですね」
「はい、それで英語も喋ります」
「そうですね、けれど」
「フィリピンもスペイン語でして」
それでだとだ、畑中さんはご自身の向かい側に座ってお茶を飲んでいる僕に話してくれた。お茶は控えている小柳さんが出してくれたものだ。
「そしてメキシコもです」
「スペイン語ですよね」
「そうです、どちらの国も」
「フィリピンやメキシコだけでなく中南米全体がです」
「スペイン語喋りますよね」
「中南米は全てスペインの植民地だったので」
このことは教科書にもある、考えてみれば凄いことだ。スペインがかつて世界帝国だったことの何よりの証だ。
「ほぼ全てです」
「だからですよね」
「中南米でしたら全てスペイン語が通じます」
「キューバもですよね」
「勿論です」
あのカリブ海の島国もだ、僕はキューバはとにかくスポーツ特に野球が凄いことで知っている。そしてカストロという人のことも聞いている。
「ですからアルゼンチン人のチェ=ゲバラもです」
「確か革命家ですよね」
「はい、残念ながらもう死んでいますが」
僕はゲバラのことも知っている、それで畑中さんにも応えられた。
「あの人もです」
「キューバに行って、ですね」
「普通に会話出来ていました」
「同じスペイン語で」
「中国語、英語の次に」
「スペイン語はですか」
「話す人が多いです」
そうした言語だというのだ。
「ブラジルでもです」
「確かブラジルはポルトガル語ですよね」
「はい、ですが」
それでもというのだ。
「スペイン語も通じます」
「言葉が違っても」
「スペイン語とポルトガル語は近いので」
「通じる位にですか」
「そうです、母を訪ねて三千里という小説がありますね」
「アニメにもなった」
「あの作品の主人公マルコはイタリアの子供ですね」
このことからもだ、畑中さんは話してくれた。
「そうでしたね」
「はい、それでも」
「アルゼンチンに行っていますね」
「アルゼンチンもスペイン語ですけれど」
「普通に会話出来ましたね」
「イタリア語とスペイン語も近いのです」
「それでポルトガル語も」
僕もわかってきた、このことが。
「そういうことですね」
「そうです、ですから」
「ブラジルでもですか」
「スペイン語が通じます」
「スペイン語って凄いですね」
「アメリカでもスペイン語がかなり通じる様になっています」
「メキシコからの人が多いからですね」
僕もこの辺りの事情を察して言った。
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